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シリーズ-東京の地下鉄を診断する:日比谷線

1.路線の距離と所要時間(スピード)
中目黒-北千住間20.3kmを約43分と、なかなかの快速です。都心を逆L字形に横切っていて、神谷町-六本木-広尾間で大きくふくらんでいるため、カーブが比較的多いのですが、そのわりには意外に速いと思います。
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2006.8.17 東京急行電鉄東横線都立大学駅

2.路線の便利度(相互乗り入れ・他路線とのアクセス)
日比谷線は、東京の地下鉄初の相互乗り入れ路線です。中目黒で東急東横線と、北千住で東武伊勢崎線とつながっています。後に半蔵門線が東武に乗り入れますが、半蔵門線が皇居の迂回ルートが大回りになるのと、日比谷線の方が都心のオフィス街や銀座・六本木などの繁華街を通るため便利度が高く、輸送量は高くなっています。他路線とのアクセスは中目黒・恵比寿・六本木・霞ヶ関・日比谷・銀座・東銀座・茅場町・人形町・秋葉原・仲御徒町・上野・南千住・北千住と21駅中14駅と2/3で、山手線とのアクセスは上野・秋葉原・恵比寿の3駅で、銀座線とほぼ同じで、便利度は非常に高いと言えましょう。ただ、乗り入れ先の東急は途中の菊名までの乗り入れで、横浜まで行くのにはやや不便です。
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2006.1.22 東武鉄道伊勢崎線春日部駅

3.ダイヤ(路線内乗継の問題など)
ラッシュ時最高2分間隔、日中は概ね5分間隔で、高密度かつ定時性の高い路線と言えます。東急・東武の乗り入れ車両は地下鉄の終点(中目黒・北千住)を越えて先には行かない(保安装置に互換性がない)ために、東急車(東武車)に乗った時は北千住(中目黒)で乗り換えることになります。東京メトロの車両は両方の保安装置を搭載しているので、3社を通して走ることができますが、定期列車では同じように運用されており、東武動物公園-菊名間を走り通す列車はありません。ただ、日比谷線内に限れば、ラッシュ時の一部列車と入庫回送を兼ねた南千住ゆきがあるほかは殆どの列車が中目黒-北千住間を走り通すので、線内乗り継ぎは殆どありません。

4.車両
東京メトロの車両はすべて03系に統一されています。また、乗り入れ車両も現在は世代交代が完了し、東武は20000系列、東急は1000系に統一されています。かつては東武の車両が営団・東急に比べ若干スペックが劣っていたためにネックになっていましたが、現在はすべて解消しています。03系は乗降時間の短縮のために5扉車を導入、全42編成中約半数の20編成に5扉車が連結されています。
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2006.7.20 東京急行電鉄東横線都立大学駅

5.その他
日比谷線は東武と東急という東京の南北を代表する私鉄を最短距離で結ぶ重要な線です。しかし、東急側の大幅な路線の変化により、東急との相互乗り入れの重要性が若干薄れつつあるようです。一方東武側としては、沿線から都心への直通ルートとしての重要性は半蔵門線乗り入れ後も変わりなく、相互乗り入れとしては需要面でややアンバランスになりつつあります。東急への乗り入れをやめて中目黒での連絡を強化した方がいいという声は前からあり、特急が中目黒に停車するようになった現在、東急の本線用車両が20m車に統一されたこともあり、真剣に検討してもいいのではないかと思います。また、東京オリンピックに合わせての突貫工事のツケで、設備の老朽化が指摘されており、このあたりも今後の課題と言えましょう。

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by borituba | 2008-08-11 22:10 | てつどう