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報恩・オーマンディの名盤

私を素晴らしきクラシック音楽の世界にいざなってくれた往年の名盤が続々CDに復刻されて21世紀に蘇っています。
その中で私がクラシック音楽駆け出しの頃、最も「お世話になった」のはユージン・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の名盤の数々でした。
今回は最近復刻され、再びその名人芸に触れることができるようになった名盤をいくつかご紹介します。

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はげ山の一夜~ロシア管弦楽曲名演集
タイトルの「はげ山の一夜」(ムソルグスキー作曲・リムスキー=コルサコフ編曲)を筆頭にロシア味にあふれた名曲を集めた小品集。オーマンディ/フィラデルフィアの最大の魅力である豊かな語り口とすばらしく上手いアンサンブルを堪能できる一枚です。全曲の白眉はグリエールの「赤いケシの花」の「ロシアの水兵の踊り」。一糸乱れぬアンサンブルがメロディが繰り返す度に速度を増し、プレスティッシモ(猛スピード)まで一気呵成に登り詰めるさまはまさにデモーニッシュ。狂気すら覚える戦慄の3分半!
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チャイコフスキー:三大バレエ名場面集
オーマンディのチャイコフスキーはどの曲も折り紙つきの名演ですが、中で最もすばらしいのが「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠りの森の美女」の「三大バレエ」です。三つともに定番の組曲がありますが、ここではオーマンディ独自の選曲による抜粋になっていて、曲順はバレエのストーリーに合わせて並べ替えられています。
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クロード・ドビュッシー:交響詩「海」、「牧神の午後への前奏曲」、「夜想曲」
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展覧会の絵&ボレロ~ラヴェル名演集
意外に知られていませんが、フィラデルフィア管弦楽団はフランスのオーケストラに近いスタイルのオーケストラです。全体に明るく透明度の高い音色、フットワークの軽い軽快なアンサンブル、偏りのない絶妙のバランス…こうした特徴から、フィラデルフィア管弦楽団は重厚なドイツの大交響曲より、ロシアやフランスの華やかな小品に向いていると言えます。
そこでおすすめしたいのがラヴェルとドビュッシーです。どちらも音色の透明度命、色彩感と語り口も必要となれば名演にならないわけがありません。
二つのアルバム共通の注目は音抜けのいい管楽器、中でもオーボエとコールアングレがすばらしいことです。オーボエは当時のフィラデルフィアの看板だった名人ジョン・デ・ランシー。コールアングレはクレジットがないので名はわかりませんが、すばらしい使い手であることは間違いありません。

by borituba | 2015-10-25 21:13 | おんがく