人気ブログランキング | 話題のタグを見る

特撮と鉄道(ウルトラマン編)

昭和30年代の特撮ヒーローがゴジラとすれば、続く40年代の特撮ヒーローといえばこの方でしょう。
特撮と鉄道(ウルトラマン編)_d0044222_1429569.jpg
2009.2.15
ところが、ウルトラシリーズと鉄道…というと、意外にも接点が非常にすくなくなります。ウルトラシリーズの作品世界は、第1作「ウルトラQ」では(昭和40年の)現在、第2作「ウルトラマン」第3作「ウルトラセブン」では近未来となっています。当時鉄道は蒸気機関車から電気/ディーゼル機関車に代表されるように技術革新の真っ最中で、実車の映像を使うと近未来性が失われるとの判断から、まだ都内に多数残っていた路面電車は勿論、通勤電車などもほとんど登場しません。また、輸出して欧米で放映したときに、なじみのない鉄道を写すと古臭く感じられてしまうという「政策」的な理由もありました。
そんな中、「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」の両方に登場するのはなんと東京モノレールです。
「ウルトラマン」では第22話「地上破壊工作」の冒頭、科特隊パリ本部から来たアンヌ隊員(実は地底人の化けたニセ者)が空港からモノレールに乗ります。この時はまだ開業時のアイボリーと水色のツートンでした。
特撮と鉄道(ウルトラマン編)_d0044222_14504058.jpg
2009.11.8 東京モノレール流通センター駅
「ウルトラセブン」では第5話「消された時間」で南極基地から来たユシマ博士がシークレット・エアポートから防衛軍基地への移動用ということで東京モノレールが登場します。このときは当時の終点だった旧羽田駅がロケで使われています。このときはすでに2代目の赤地に白帯という「京急カラー」になっていました。
あまり特撮作品に鉄道が登場しない中モノレールが登場したのは、モノレール、特に跨座式のフォルムが未来的で、新時代の乗り物としてふさわしいからでしょう。ちなみに都市交通のなかでモノレールが定着しているのは先進国では日本だけで、欧米では主に遊覧用になっています。特にモノレールが大好きなのはかの「鼠の王国」で、各地の施設には必ずモノレールがあります。浦安にもありますね。

数年のブランクの後に復活した「帰ってきたウルトラマン」は、ホームドラマとの融合など、作品世界が昭和46年の現在に引き戻されました。そのため、当時の鉄道が登場する映像が増え、怪獣が鉄道を破壊するエピソードも登場します。
第15話「怪獣少年の復讐」で、怪獣エレドータスが鉄道変電所で電気を食い、通りかかった貨物列車を破壊するところからエピソードが始まりますが、破壊する鉄道は西武多摩川線です。支線区であり、また西武の本線筋と直接つながりのない離れ小島のような路線ということで、昔から旧型車の終の棲家となっており、「帰ってきたウルトラマン」当時は311系や401系などの吊り掛け車両が活躍していました。勿論ピンクとベージュの旧塗装です。
多摩川線はその後351系などの湘南顔勢を経て701系、101系初期車と、本線筋を退いた車両が活躍し、現在は101系後期車が活躍中です。
特撮と鉄道(ウルトラマン編)_d0044222_15483888.jpg
2010.2.14 西武鉄道多摩川線多磨駅
by borituba | 2013-11-10 15:52 | てつどう