人気ブログランキング |

シリーズ・東京の私鉄診断-番外編:列車種別を考える

今回は各社の診断をお休みしまして、関東私鉄の列車種別について考えます。

地方から東京に出てきた人がまず最初に戸惑うのが、鉄道網の細かさと列車種別の多様性です。そうでなくてもあまり馴染みのない路線に乗るときは東京ネイティヴでも迷います。ある駅に行くのに乗る種別を間違えてえらく先まで行ってしまい、戻るのに一苦労で時間に間に合わなかった…なんて失敗の経験をお持ちの方は多いでしょう。
かく言う私も、家の建て替えでの仮住まいで都立家政に住んでいた頃、会社のあった武蔵関から準急に乗ってしまい、気がついたときには鷺ノ宮を発車した後で高田馬場から引き返すと座れないので西武新宿まで乗り通して始発の各停で引きかえした…という経験があります。
d0044222_20364264.jpg
2011.5.4 西武鉄道池袋線練馬高野台駅
関東の大手私鉄の列車種別をまとめてみました。

西武(池袋線):
特急(レッドアロー)快速急行急行通勤急行快速通勤準急準急
西武(新宿線):特急(レッドアロー)通勤急行急行準急
東武(伊勢崎線):特急快速区間快速急行区間急行準急区間準急
東武(東上本線):TJライナー快速急行快速急行通勤急行準急
京急:Wing号快特エアポート快特特急・エアポート急行
京成:有料特急(スカイライナー・シティライナー等)快速特急アクセス特急特急快速
東急(東横線):特急急行
東急(田園都市線):急行準急
小田急:特急(ロマンスカー)快速急行急行多摩急行準急区間準急
京王(京王線):特急準特急急行区間急行快速
京王(井の頭線):急行
相鉄:急行快速

路線が比較的単純で距離が短い相鉄や東急、京王井の頭線などはシンプルで、支線が多く路線距離が伸びるほど種別が多様に、また複雑になります。
d0044222_22373333.jpg
2011.6.4 京王電鉄井の頭線東松原-明大前間
昔はどこの会社も準急・急行くらいで、有料特急がない会社には通勤列車の特急があったくらいでした。しかし、沿線の開発が進み、路線の末端近くまで宅地化すると、優等列車を停める必要のある駅が増え、それに伴って列車種別も増加・複雑化していきました。
宅地化が急激に進んだ1970年代後半あたりから各社で爆発的に流行したのが「通勤ナントカ」という種別です。新興住宅地やニュータウンが造成された最寄り駅にがそれまでの急行・快速の一部を停車させたのがきっかけで、主に朝夕のラッシュ時に設定されていました。京急のような列車種別がシンプルだった会社ですら「通勤快特」なる種別ができたくらいです(品川-横浜間快特・横浜以南は特急)。
d0044222_2334936.jpg
2007.8.22 京浜急行電鉄本線平和島駅
バブル崩壊で宅地開発のスピードが鈍くなり、沿線の人の流れも変化してゆくにつれて「通勤ナントカ」は次第に縮小され…というより朝夕ラッシュだけでなく終日運転されるようになり、また路線の末端で急行運転しても所要時間に大きな差が出ない(=車両の技術向上によるスピードアップ)ようになったのです。
「通勤ナントカ」に取って代わって今や大流行なのが「区間ナントカ」です。「通勤ナントカ」の看板を変えただけのものもあれば、東武伊勢崎線のように「街のローカル線」になった浅草-北千住間は各停となり、北千住から先は準急や急行になるようなタイプやその逆パターンの小田急の区間準急のようにさまざまですが、需要の差に応じて急行区間を調整できて融通のきくところが好まれているのでしょう。
d0044222_2329489.jpg
2011.7.18 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
その後、ラッシュ時の混雑緩和…というより分散のために「千鳥停車方式」をとる会社が現れて、種別の乱立に一層拍車がかかりました。西武・東武東上本線・小田急「快速急行」や行先を冠した小田急「多摩急行」や、従来の特急が末端で各停になったことに伴って登場した京成「快速特急」などが続々と登場してきました。
現在「優等種別百鬼夜行時代」といえる関東の大手私鉄の優等列車について、いろいろ考えてみたいと思います。
次回に続く。

by borituba | 2013-05-25 22:01 | てつどう