シリーズ・東京の私鉄診断-東急田園都市線

1.路線の距離と所要時間(スピード)
渋谷-中央林間間31.5km・27駅を急行約37分、各停約56分で結びます。待避駅が多く、踏切が全くないので急行は3駅連続停車(鷺沼・たまプラーザ・あざみ野)があるわりにかなり快速と言ってよく、各停との差が約20分というのは通勤路線の急行運転としては文句なしの合格点です。これは偏に沿線開発に先行して路線を確定、敷設したことによる線形の良さと待避駅を多く設けて緩急接続が円滑であることに尽きます。
2.乗入れの形態
渋谷で東京メトロ半蔵門線とつながって相互乗り入れを行っています。両端型乗入れの典型で、のちの目黒線(旧目蒲線)の改良のお手本となりました。来春には東横線も両端型に変更されるので、東急で相互乗り入れを行っている路線はすべて両端型になります。
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
他路線とのアクセスは渋谷・三軒茶屋・二子玉川・溝の口・あざみ野・長津田・中央林間の7駅です。優等列車は朝ラッシュ時の上りに二子玉川-渋谷間が各停になる準急がありますが、日中は急行だけと至ってシンプルで、停車駅は渋谷・三軒茶屋・二子玉川・溝の口・鷺沼・たまプラーザ・あざみ野・青葉台・長津田・中央林間の10駅で、土曜・休日のみ南町田に停車します(準急は二子玉川まで急行と同じ、平日のみ運転)。緩急接続は鷺沼・長津田で行いますが、鷺沼で接続した列車は長津田では接続せず、逆に鷺沼で接続しない各停は必ず長津田で接続します。各停はこのほか桜新町・梶ヶ谷・江田・藤が丘で急行(準急)を待避します。待避・接続駅が多いことで優等列車のスピードアップを実現しているのは前述の通りです。
4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
日中は急行1に対して各停2の15分サイクル、急行直前の各停は桜新町で待避して長津田接続、直後の各停が鷺沼接続となります。急行は最低2本の各停を追い抜くことになるわけです。これが急行の快速性の高さの所以です。日中では概ね1時間に急行1本・各停1本が長津田止まりとなりますが、ほとんどが中央林間ゆきと接続しており、影響はほとんどないと言っていいでしょう。ただ、東京メトロの検車区が鷺沼にあるため、早朝・深夜のメトロ車運用列車の一部に鷺沼止まりがあります。車両は2代目5000系と新玉川線時代からの古豪8500系の東急車、メトロ8000系・08系、東武50050系・30000系があり、全て半蔵門線に直通します。ただし、上りに関しては8500系の一部は東武線に入線できないため、清澄白河ないし押上止まりとなり、押上止まりには東武車の出稼ぎ運用もあります。この点は東武伊勢崎線の診断で詳述します。
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2012.5.13 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
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2012.6.17 東武鉄道伊勢崎線牛田駅
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2012.6.17 東武鉄道伊勢崎線牛田駅
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2012.5.13 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
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2012.5.13 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
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2012.3.10 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
5.総合診断
田園都市線は、東急の本線格路線の中では開通が最も遅い路線です。渋谷-二子玉川間は新玉川線として元から半蔵門線(7号線)との相互乗り入れ・田園都市線直通を前提に造られており、半蔵門線部分開業時には東急車のみで運転され「東急半蔵門線」とか言われていました。そんな経緯もあり、ダイヤの組成が今も東急主導になっているため、東急田園都市線側から見れば、相互乗入れの「お手本」と言って差し支えないほど円滑に運営されています。それで若干東武側がワリを食っているようにも感じますが、それは伊勢崎線診断のとき改めて検証するとして、東急側としては速達性、利便性とも文句のつけようがほとんどありません。このあたりは課題山積の東横線とは対照的であり、大都市近郊通勤路線として非常に安定していると言えるでしょう。現在曲がり角の相互乗り入れの世界としても、その標準となるべき姿ではないかと思います。
★★★★★(星は5つが最高です)
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by borituba | 2012-12-19 21:56 | てつどう