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ダイヤ改正点描:京急蒲田ゆき普通のやりくり

ダイヤ改正で新設された「京急蒲田ゆき普通」の様子を見てきました。

品川口のエア急が並エア快に格上げになり、急行停車駅の青物横丁・立会川・平和島の停車列車数が減ったため、それをフォローするために今まで設定されたことがなかった品川-蒲田間普通が新設されました。旧エア快の並エア快の2分後に品川を出る普通が蒲田ゆきで、すべて4連で運転されます。
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2012.11.3 京浜急行電鉄本線梅屋敷駅
この設定を見たとき最初に浮かんだ疑問が「折り返し運用をどうするのか?」ということです。蒲田駅には引揚線がありません。京急では引揚線は品川・川崎のほかは車両基地のある新町・文庫・久里浜にしかないのです。京急は駅設備はわりと余裕をもって作られていますが、引揚線や電留線の用地が少なく、折り返しのできる駅が限られてしまうというのが悩みのタネになっています。今回も京急らしい苦肉の策を用いて運用を工夫していました。
まず、蒲田駅の構造が大きく変わりました。蒲田止まりの列車のために上下ホームの横浜方に切欠きホームを設けました。ちょうど阪急の京都河原町駅のような構造で、それが上下2層になっているわけです。番線は下り3階ホームが1番横浜方面・3番羽田方面。上り2階ホームが4番横浜からの品川方面・6番羽田からの品川方面で、切欠きホームは下りが2番線、上りが5番線になっています。下り2番線はほぼ蒲田止まり列車の降車専用ホームと言ってよく、列車が到着すると、連絡する快特がすぐ追いついてきて、降りた乗客が1番ホームに向けでダッシュしてきます。着いた車両はすでに「回送」幕を出しています。
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2012.11.3 京浜急行電鉄本線京急蒲田駅
下のホームでは2000形が出発を待っていました。旧エア急スジの並エア快が発車するとすぐに品川へと後を追います。
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2012.11.3 京浜急行電鉄本線京急蒲田駅
3階の切欠きホームに列車が入る前にA快特が脇を通過していきました。この画を見ていただけばわかりますが、切欠きホームは有効長が4両分しかありません。蒲田ゆき普通がすべて4連なのはこれが理由だったわけですね。
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2012.11.3 京浜急行電鉄本線京急蒲田駅
では、蒲田に着いた列車はどうやって折り返すのか?これこそ京急がひねり出した「苦肉の策」なのです。
蒲田で乗客を降ろした列車は、そのまま下り線を走り、多摩川を渡って川崎まで行き、一旦川崎駅の引揚線に入ります。そして川崎の上りホームに入って折り返し、蒲田駅の上り切欠きホームに入ります。蒲田-川崎間は「回送」扱いになります。早い話が昔12連快特のヒモで来て川崎で分割併合されていた羽田ゆき特急のスジを援用したわけです。六郷土手を通過する蒲田への送り込み回送。最初の画の蒲田ゆき普通と同じ2代目1000形の1433編成です。
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2012.11.3 京浜急行電鉄本線六郷土手駅
この4連編成は1度入ると同じように蒲田ゆき運用で行ったり来たりしているようで、ちょうど西武の保谷ゆき各停や京成金町線列車のように「当番制」のようです。
by borituba | 2012-11-04 19:19 | てつどう