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あれから2か月…なぜ京急は終日止まったのか。

東日本大震災から2か月が経ちました。

当日、首都圏の鉄道はマヒ状態となり、大量の「帰宅難民」が発生しました。それでも東急や京王など一部の路線は終電近くになって運転を始め、地下鉄も大半が復旧、終夜運転を行いました。
一方JRは首都圏の全線が終日不通になりました。

そこで問題になるのが京急です。京急は関東民鉄の中では比較的タフで、またこういう場合でも安全確認ができたところから順次折り返し運転を再開したりするのが常でした。しかし、結局3月11日の京急は終日不通状態に陥ってしまったのです。

では、なぜ…2か月経ったところで、検証してみたいと思います。

結論から言うと「JRが止まったから」というのがその最大の原因です。京急はその路線のほとんどすべてがJRと並行・競合しています。品川―横浜間は東海道本線とほぼ完全に並行、横浜-新逗子・京急久里浜間は根岸線・横須賀線と付かず離れず競合しています。
この状態で京浜間のJRがマヒしてしまうと、当然ながら動いていれば京急に全乗客が集中することになります。
震災当夜、運転を再開した地下鉄はしばしば乗客の集中で止まったり動いたりを繰り返しました。京急が仮にあの夜運転を再開していたら、さあ、どうなっていたでしょう。

ここに京急の弱点があります。京急はJRとの接続駅ではJR駅の脇にへばりつくようにホームがあります。品川・川崎・横浜・横須賀中央…不思議なことにターミナル駅ほど手狭で、途中駅はわりと広々としているのが京急の路線の特徴です。

品川や横浜の京急駅をご存知の方は想像してみてください。ここに東海道本線・横須賀線・京浜東北線の全乗客が集中したらどうなるか…答えはここでくだくだ書くまでもありませんね。

時々横須賀線や京浜東北線が止まったとき、品川や横浜が大混雑となり、ウィング号が運休になったり(臨時快特に変更される)、ダイヤが大幅に乱れたりします。一路線が止まってもこのありさまですから、全路線が止まった状態では却ってパニック状態になるのは火を見るより明らかでした。

事実、夜遅くなってから再開した東急東横線はラッシュ並みの混雑でした。綱島の鶴見川の鉄橋で見ていた限り、上りも下りもぎっしりだったのを今でも覚えています。

というわけで、京急は「動かしたくても動けなかった」状態で当夜の運転をすべて見合わせることになってしまったのです。
都市交通というのはたとえ並行路線が多くても、一社だけで独占できるものではなく、人の動態に合わせて各線がバランスよく乗客を運ぶことで成り立っています。まして京浜間のような首都圏交通の大動脈にあっては、たとえ一社だけ動けてもすべての輸送を賄うことは不可能です。

今回の震災で見えてきたのは、都市交通の災害対策を考える上で、各社の「収容力」というのものが今までファクターとして考えられていなかった。ということ。特に京浜間におけるJRと東急・京急との「シェア」のバランスをもっと議論すべきだということが言えるのではないかと思います。
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by borituba | 2011-05-12 22:59 | しんさい