タグ:東京の地下鉄診断 ( 27 ) タグの人気記事

上京してきた方や、あまり馴染みのない路線に乗るいわゆる「一見さん」が私鉄に乗車するとき列車種別に戸惑う理由は、種別の地位、というか序列が会社に寄ってバラバラなところにあります。

1.特急は別格?
関東私鉄の中で、特急券、座席指定料金、乗車整理券など運賃以外の料金が必要な所謂「有料特急」を運転している会社のうち、東武伊勢崎線・西武・小田急は「スペーシア」とか「レッドアロー」とか「ロマンスカー」とか呼ばれていますが、あくまで「特急」で、通勤車両使用の列車はどんなに速くても「急行」や「快速急行」となっています。
しかし京急・京成・東武東上本線では、有料の特急列車を運転しているにもかかわらず、「特急」の名称を使っていません。京急のWing号、京成のスカイライナー・シティライナー・モーニング/イブニングライナー、東武東上本線のTJライナーは「別格」扱いになっていて、その下に通勤車両による「快速特急」や「特急」が存在しています。東武東上本線には「特急」はありませんが、かつて別会社だった名残りで、同じ東武でありながら伊勢崎線と種別の序列が違うという現象になっています。
d0044222_14123740.jpg
2012.6.17 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
d0044222_14144957.jpg
2012.6.23 東武鉄道東上本線柳瀬川駅
d0044222_1423466.jpg
2011.7.18 京成電鉄京成本線関屋-堀切菖蒲園間
d0044222_14261171.jpg
2011.7.18 京成電鉄京成本線関屋-堀切菖蒲園間
2.急行と快速と…
今回各社の列車種別を調べてみると、多くの社が標準的な優等列車としているのは「急行」という感想を持ちましたが、それに付随する優等列車の序列がどうも問題のように思えます。それは「快速」という列車の位置づけです。
「快速」が「急行」より上位なのは東武伊勢崎線のみで、他は「急行」が上位になっています。しかし、西武・東武東上本線・小田急には「急行」の上位に「快速急行」があり、京急・京成に至っては「特急」の上位に「快特」「快速特急」があります。
長年「快特(快速特急)」を運転してきた京急はともかく、速達サービス向上のための列車に安易に「快速」を付けてしまうところに「一見さん」の戸惑いの原因になっているような気がしてなりません。
小田急の場合せっかく小田原方面の急行に対して唐木田ゆき急行を「多摩急行」としているのですから、藤沢・江ノ島方面ゆき快速急行は「藤沢急行」とか方面で区別した方がいいと思います。西武も快速急行が乗り入れ列車中心になって増発されているので、こちらを「急行」にして、所沢から各停になる現行の急行は「区間急行」にした方がわかりやすくなると思います。
また、京成の「快速特急」ですが、デビュー当時から違和感を感じています。快速の佐倉止まり化とそれに伴う特急の佐倉からの各停化によって誕生した「快速特急」ですが、南海が「ラピード」でやっているように「A特急」「B特急」のようにした方がいたずらに種別をふやすよりわかりやすいのではないでしょうか?
d0044222_15204337.jpg
2011.12.23 小田急電鉄小田原線喜多見駅
d0044222_15223984.jpg
2011.12.23 小田急電鉄小田原線喜多見駅
d0044222_15254598.jpg
2011.12.23 小田急電鉄小田原線喜多見駅
d0044222_15342264.jpg
2012.5.13 京成電鉄京成本線関屋-堀切菖蒲園間
d0044222_15381198.jpg
2012.11.21 京浜急行電鉄空港線糀谷駅
3.不思議の国の「準特急」
私のように子供の頃から半世紀近く鉄道に心を寄せてきた者にとってもなんとも不可解な種別が京王の「準特急」です。京王には準急がなく、最下位の優等列車が快速であるため、「快速急行」とか「快速特急」の名称が使えず、苦肉の策ということでしょうが、今年のダイヤ改正で北野-高尾山口間各停となるまでは停車駅が特急とほとんど変わらず「なんで準特急?」という声が多かったですね。今回で停車駅がだいぶ変わったので「特急に準ずる」という性格はやや薄くなったようなので、方面別に「八王子特急」「高尾特急」のようにしてはどうかと思います。
d0044222_16273712.jpg
2006.6.6 京王電鉄京王線下高井戸駅
d0044222_16375464.jpg
2012.3.3 京王電鉄京王線下高井戸駅
いろいろ書いてきましたが、要は列車種別はなるべくシンプルな方が利用する側にとってはいいということです。その点で優秀といえるのは東急と西武新宿線くらいで、京急がそれに次ぐところです。各社とも今後は乗客にわかりやすいシンプルなラインナップに努めてほしいところです。
by borituba | 2013-05-26 16:46 | てつどう | Comments(0)

今回は各社の診断をお休みしまして、関東私鉄の列車種別について考えます。

地方から東京に出てきた人がまず最初に戸惑うのが、鉄道網の細かさと列車種別の多様性です。そうでなくてもあまり馴染みのない路線に乗るときは東京ネイティヴでも迷います。ある駅に行くのに乗る種別を間違えてえらく先まで行ってしまい、戻るのに一苦労で時間に間に合わなかった…なんて失敗の経験をお持ちの方は多いでしょう。
かく言う私も、家の建て替えでの仮住まいで都立家政に住んでいた頃、会社のあった武蔵関から準急に乗ってしまい、気がついたときには鷺ノ宮を発車した後で高田馬場から引き返すと座れないので西武新宿まで乗り通して始発の各停で引きかえした…という経験があります。
d0044222_20364264.jpg
2011.5.4 西武鉄道池袋線練馬高野台駅
関東の大手私鉄の列車種別をまとめてみました。

西武(池袋線):
特急(レッドアロー)快速急行急行通勤急行快速通勤準急準急
西武(新宿線):特急(レッドアロー)通勤急行急行準急
東武(伊勢崎線):特急快速区間快速急行区間急行準急区間準急
東武(東上本線):TJライナー快速急行快速急行通勤急行準急
京急:Wing号快特エアポート快特特急・エアポート急行
京成:有料特急(スカイライナー・シティライナー等)快速特急アクセス特急特急快速
東急(東横線):特急急行
東急(田園都市線):急行準急
小田急:特急(ロマンスカー)快速急行急行多摩急行準急区間準急
京王(京王線):特急準特急急行区間急行快速
京王(井の頭線):急行
相鉄:急行快速

路線が比較的単純で距離が短い相鉄や東急、京王井の頭線などはシンプルで、支線が多く路線距離が伸びるほど種別が多様に、また複雑になります。
d0044222_22373333.jpg
2011.6.4 京王電鉄井の頭線東松原-明大前間
昔はどこの会社も準急・急行くらいで、有料特急がない会社には通勤列車の特急があったくらいでした。しかし、沿線の開発が進み、路線の末端近くまで宅地化すると、優等列車を停める必要のある駅が増え、それに伴って列車種別も増加・複雑化していきました。
宅地化が急激に進んだ1970年代後半あたりから各社で爆発的に流行したのが「通勤ナントカ」という種別です。新興住宅地やニュータウンが造成された最寄り駅にがそれまでの急行・快速の一部を停車させたのがきっかけで、主に朝夕のラッシュ時に設定されていました。京急のような列車種別がシンプルだった会社ですら「通勤快特」なる種別ができたくらいです(品川-横浜間快特・横浜以南は特急)。
d0044222_2334936.jpg
2007.8.22 京浜急行電鉄本線平和島駅
バブル崩壊で宅地開発のスピードが鈍くなり、沿線の人の流れも変化してゆくにつれて「通勤ナントカ」は次第に縮小され…というより朝夕ラッシュだけでなく終日運転されるようになり、また路線の末端で急行運転しても所要時間に大きな差が出ない(=車両の技術向上によるスピードアップ)ようになったのです。
「通勤ナントカ」に取って代わって今や大流行なのが「区間ナントカ」です。「通勤ナントカ」の看板を変えただけのものもあれば、東武伊勢崎線のように「街のローカル線」になった浅草-北千住間は各停となり、北千住から先は準急や急行になるようなタイプやその逆パターンの小田急の区間準急のようにさまざまですが、需要の差に応じて急行区間を調整できて融通のきくところが好まれているのでしょう。
d0044222_2329489.jpg
2011.7.18 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
その後、ラッシュ時の混雑緩和…というより分散のために「千鳥停車方式」をとる会社が現れて、種別の乱立に一層拍車がかかりました。西武・東武東上本線・小田急「快速急行」や行先を冠した小田急「多摩急行」や、従来の特急が末端で各停になったことに伴って登場した京成「快速特急」などが続々と登場してきました。
現在「優等種別百鬼夜行時代」といえる関東の大手私鉄の優等列車について、いろいろ考えてみたいと思います。
次回に続く。

by borituba | 2013-05-25 22:01 | てつどう | Comments(1)

1.路線の距離と所要時間(スピード)
全線は浅草-伊勢崎間114.5kmですが、今回の診断では主に都心への通勤アクセス路線である東武動物公園までの41.0kmについて述べます。現在浅草-北千住間は実質ローカル線のような扱いになっていますので、基準となる優等列車は地下鉄からの乗り入れ急行になります。押上からで北千住まで9分、西新井まで15分、草加まで20分、新越谷まで25分、春日部まで40分、東武動物公園まで47分です。北千住まで9分もかかっているのは荒川(旧荒川放水路)の掘削に伴う線形の変更で急カーブの連続となったことでスピードアップが困難なためですが、北千住-東武動物公園間は私鉄最長の複々線区間の効果もありかなりの快速になります。浅草からは北千住・竹ノ塚ゆきの普通が10分間隔で運転されています。上下とも曳舟で地下鉄乗り入れ列車と接続しています。北千住からの普通は東京メトロ日比谷線乗り入れの列車が担当しています。
2.乗入れの形態
曳舟(正確には押上)で東京メトロ半蔵門線、北千住で東京メトロ日比谷線とつながり、相互乗り入れを行っています。どちらも合流型乗り入れです。浅草駅が松屋デパートのビルに半ば強引に突っ込む形で作られたので、乗入れ線を引き込むことは不可能なのでやむを得ない携帯ではあります。そのため近年は北千住が運転系統上のターミナルとなっており、半蔵門線乗入れ列車は急行で曳舟-北千住間は通過、日比谷線乗入れ列車は北千住-東武動物公園間普通と役割が完全に分かれています。
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
他路線とのアクセスは浅草・(押上)・曳舟・牛田(関屋)・北千住・西新井・新越谷(南越谷)・春日部・東武動物公園・久喜で、乗り入れの東京メトロ日比谷線のほか同千代田線、JR常磐線、つくばエキスプレスとアクセスする北千住が路線全体のターミナルとなっています。今回の診断では取り上げませんが、観光列車である特急も全列車が北千住に停車し、乗車率.が大きく変わります。
優等列車はかつては「区間○○」が多く複雑だったのを日中に関してはほぼ急行一本に絞ってシンプルになりました。急行停車駅は「りょうもう」の特急格上げまでの準急をほぼ踏襲した形ですが、西新井・竹ノ塚の連続停車をやめて交通の要衝度の高い西新井のみの停車としました。全て半蔵門線乗入れ列車で都心まで直通します。停車駅は押上・曳舟・北千住・西新井・草加・新越谷・越谷・せんげん台・春日部・東武動物公園から日光線南栗橋・伊勢崎線久喜まで各停です。朝夕ラッシュ時のみの運転になった区間準急は浅草-北千住間各停・北千住-新越谷間は急行と同じで新越谷以遠各停、区間急行は浅草始発で北千住まで各停・北千住-東武動物公園間急行です。

4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
通勤列車で見る限り、基本的に浅草-北千住間と北千住-東武動物公園(久喜・南栗橋)間で分割されていると言っていいでしょう。浅草始発の普通(区間準急を含む)は曳舟で半蔵門線直通の急行に接続、鐘ヶ淵で特急・区間快速を待避というパターンができあがっています。北千住から日比谷線列車が乗り入れてきます。日比谷線が東急東横線への乗り入れをやめたので、日比谷線から東武へ乗入れ可能な列車が増え、北千住からの普通運用のほとんどを担うようになりました。また、一部の列車の終着が南栗橋まで延長されるなど、思わぬ恩恵も発生しています。
東京スカイツリーの開業で、浅草-北千住間に観光路線としての性格が戻ったかに見えましたが、大改装の上駅名まで変え、特急停車駅にまでしたとうきょうスカイツリー駅(旧業平橋)よりは他路線とのアクセスが便利な押上駅の方が最寄駅としては優勢のようです。
車両は乗り入れ列車用の車両は以前の日比谷線・半蔵門線・東急田園都市線の診断をご参照ください。その他の地上専用の車両はほぼ10000系と半蔵門線乗り入れ用機器を外した30000系の2種類になっています。東上本線ではまだ主力の一角を担っている8000系はこちらではすでに支線の亀戸線・大師線以外からは撤退しています。浅草始発の普通の本数が10分間隔で、うち1本は北千住止まりなので、北千住-東武動物公園間においては乗入れ車両への依存度が非常に高くなっているのが伊勢崎線の特徴になっています。
d0044222_15591463.jpg
2012.12.29 東京地下鉄日比谷線中目黒駅
d0044222_161755.jpg
2013.5.4 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
d0044222_1662514.jpg
2013.5.4 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
d0044222_167522.jpg
2013.5.4 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
5.総合診断
今回この記事を書くために伊勢崎線をいろいろ調べてみて、この路線の意外な底力がわかってちょっと驚きました。20kmにおよぶ私鉄最長の複々線をフルに活用して観光列車と通勤列車のバランスを維持しながら、相互乗り入れ列車を普通・急行に役割分担させることで都心とのアクセスをかなり充実させてきています。日比谷線乗り入れ列車は路線規格の関係で18m車しか入れませんが、東急との縁が切れたことで全列車が東武線乗入れ可能になり、その恩恵で乗り入れ列車が増発、運転区間も南栗橋まで延びて合流型乗り入れの不利を完全に払拭しました。半蔵門線乗り入れの急行も曳舟-北千住間のカーブ連続区間が若干ネックではありますが、健闘しているといっていいでしょう。東武動物公園までの区間に限っては乗り入れ列車が完全に主役になっており、看板は観光列車に任せてこっちは乗入れ車でしっかり稼ぐという、老舗私鉄のしたたかさを感じます。
★★★★★(星は5つが最高です)
by borituba | 2013-05-19 16:33 | てつどう | Comments(2)

1.路線の距離と所要時間(スピード)
池袋-吾野間57.8kmですが、特急レッドアロー「ちちぶ号」と土休日のみ運転される秩父鉄道乗り入れの快速急行以外は全線走り通す列車はなく、実質的には43.7kmの飯能で運転系統は分かれています。本診断では池袋-飯能間を対象とします。標準的な優等列車の急行で所沢まで22分、入間市まで38分、飯能まで47分ですが、大幅に増発された快速急行で所沢以遠の所要時間が短縮されて、入間市まで35分、飯能まで42分になりました。
2.乗入れの形態
練馬から支線(西武有楽町線)を介して東京メトロ有楽町線・副都心線と相互乗り入れを行っています。さらに2013年3月16日からは副都心線を介してかつて創業者同士が最大のライバルであった東急東横線との「歴史的握手」によって乗り入れを開始しました。乗り入れの形態は「合流型」ですが、乗入れ駅が練馬と比較的至近で、ターミナル池袋が関東私鉄としては比較的大きな駅なので池袋-練馬間が切り離されるようなことはなく、また練馬-石神井公園間の複々線完成、最初の待避駅を江古田から一駅手前の東長崎に変更するなどの整備が進み、地下鉄乗入れ列車とのバランスが非常によくなっています。
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
西武はまさに東京の西部地区の国鉄空白地帯に路線網を広げたおかげで、競合路線がほぼゼロと言ってよく、そのため他路線とのアクセスも池袋-飯能間にはほとんどなく、練馬での都営地下鉄大江戸線とのアクセスが唯一となっています。
優等列車は、かつては準急と急行だけのシンプルなものでしたが、「殺人ラッシュ」と言われた朝の上り列車の混雑緩和のために、地下鉄乗り入れが始まったころから「通勤○○」の種別が乱立、またハイキング急行の流れを汲んだ土休日の臨時列車の性格が強かった快速急行が「歴史的握手」によって副都心線乗り入れの飯能ゆきの快速をグレードアップする形で大増発され、現在では優等列車の種別が6種類になっています。停車駅は関東私鉄では珍しい「千鳥型」になっています。全体の基準になっている急行の停車駅は石神井公園・ひばりヶ丘・所沢からの各駅、準急は練馬・石神井公園からの各駅、最速の快速急行は練馬・石神井公園・ひばりヶ丘・所沢・小手指・入間市です。

4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
3で延べたとおり、西武はこの地域の唯一の鉄道路線であるため、都心とのアクセスとして非常に重要です。そのため列車のスピードアップと緩急接続による利便性の向上は永遠の課題となります。相互乗り入れ網が広がったことでさらなる利便性の向上が求められましたが、西武はかなり優秀な答えを出していると言えます。東横線で横浜まで足を伸ばすようになったことで、それまで練馬から快速であった乗り入れの優等列車をなんと快速急行にグレードアップ(これにより快速急行はそれまで通過していた練馬に停車)。「区間準急」などと呼ばれてあまり評判の良くなかった乗り入れ準急は消滅しました。また、練馬駅は高架化した時に外側1線を急行・特急の通過線にして上下3線で島式2面ホームとしていますが、これに加えて練馬-石神井公園間の複々線完成で石神井公園に電留線が作られ、緩急接続だけでなく始発駅としても機能するようになり、主に乗り入れ列車の折り返し地点となりました。各停の行先は近年整理され、豊島園(実質上の練馬ゆき)、石神井公園、保谷、小手指(野球開催時は西武球場前ゆき)に統一されています。各停は練馬・石神井公園・ひばりヶ丘で最低1回は緩急接続するダイヤになっています。
このような路線の整備により、急行停車駅での緩急接続が大幅にスムーズになり、乗り継ぎの利便性も向上しました。現在は乗入れ列車の本数が若干アンバランスですが、これもいずれ東京メトロ小竹向原駅の連絡線が完成すれば解消されるでしょう。また、乗り入れ列車が同じ池袋を経由するので、練馬から乗り入れ経由と、池袋まで乗り通して乗り換える両方のルートで通用する定期券「だぶるーと」を発売したのも特筆的なサービスと言えましょう。
車両については東武東上線の診断で詳述しましたので、西武車だけ挙げておきます。最新は「すまいる君」30000系。以下「泣きべそ君」20000系、「エコちゃん」9000系、「馬鹿殿」6000系、3000系、2000系です。長年西武の顔として活躍してきた101系は昨年惜しまれつつ本線系統からは引退しました。メトロ車は従来通り、「歴史的握手」により東急車が入ってくるようになりました。
d0044222_1931566.jpg
2011.7.3 西武鉄道池袋線練馬高野台駅
d0044222_1963758.jpg
2011.7.3 西武鉄道池袋線練馬高野台駅
d0044222_19185156.jpg
2012.5.5 西武鉄道池袋線中村橋駅
d0044222_19242850.jpg
2012.6.30 西武鉄道池袋線富士見台駅
d0044222_19283725.jpg
2012.6.30 西武鉄道池袋線練馬高野台駅
d0044222_19384178.jpg
2013.3.16 東京急行電鉄東横線都立大学駅
5.総合診断
西武は東急との「歴史的握手」に向け、そのメリットを最大限に生かすべく近年着々と手を打ってきました。その効果で合流型乗り入れの不利を最小限にとどめるだけでなく、地上区間の輸送力も向上させることに成功しました。このあたりは今一つ乗り入れのメリットを生かしきれていない東武東上線とは対照的と言ってよく、「歴史的握手」は西武側に関してはひとまず大成功と言っていいのではないでしょうか。残された課題は運賃などソフト面ですが、ハード面ではかなり完成度が高く、これからの首都圏のアクセス網として模範的なものになるでしょう。星一つマイナスなのは混雑緩和がまだ充分とは言えないのと、アメリカのカネの亡者どもの圧力で路線の先行きに若干の不安要素がある点です。
★★★★(星は5つが最高です)
by borituba | 2013-05-12 19:54 | てつどう | Comments(0)

1.路線の距離と所要時間(スピード)
全線は池袋-寄居間75.0kmですが、現在は小川町(64.1km)で完全に運転系統が分断されて、全線を走り通す列車はありません。秩父鉄道への営業列車の乗り入れを止めたあとは観光路線としては川越へのアクセスに特化してきています。
急行で和光市まで13分、志木まで19分、川越まで30分、東松山まで39分、小川町まで1時間13分です。池袋-川越間でJR埼京線・川越線と競合していますが、この区間だけでJRは快速でも49分かかっているので相手になりません。準急でも川越まで43分、各停で乗りとおす場合は日中はほとんど志木で乗り継ぎになりますが、それでも大体1時間前後で川越まで行けます。

2.乗入れの形態
和光市で東京メトロ有楽町線・副都心線とつながり、相互乗り入れを行っています。東武は本線格の東上・伊勢崎の両線とも相互乗り入れを行っていますが、すべて両端型の東急とは対照的にすべて合流型になっています。それぞれのターミナルである池袋・浅草がともに延伸・移転が難しい立地条件であるので止むを得ませんが、これが東武の相互乗り入れの最大のネックになっているのは否めない事実です。東上本線の場合、乗入れ駅が和光市とかなり先になるため、乗入れ列車はすべて各停とせざるを得ません。準急はすでに成増から各停なので、副都心線の急行を準急と考えればいいのかもしれませんが、後述する和光市での接続が悪いので、乗り継ぎが非常に不便になっています。
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
他路線とのアクセスは、池袋・和光市・朝霞台・川越・坂戸・小川町・寄居です。徒歩連絡が至近な下赤塚・成増・川越市を含めれば、かなりアクセス駅が多いように感じますが、これは西武が他路線とのアクセスがほとんどないことでの比較的なイメージのように思います。
優等列車は、かつては準急・急行と休日に臨時的に運行される特急と至ってシンプルでしたが、現在は多様化してきました。標準的な優等列車である急行の停車駅は成増・和光市・朝霞台・志木・ふじみ野・川越から先の各駅で、これは長年変わっていません、準急は成増から先各停、通勤急行は志木まで急行と同じで志木から先各停です。これにTJライナー登場で廃止になった特急に代わる快速急行(停車駅:和光市・志木・川越・川越市・坂戸・東松山から先各駅)と、副都心線の東横線乗り入れ開始の今年3月のダイヤ改正で快速(停車駅:川越市までの急行停車駅と若葉・坂戸・東松山から先各駅)が新設され、これに有料着席券制のTJライナー(停車駅:ふじみ野・川越・川越市・坂戸・東松山から先各駅)を加えた6種の優等列車が設定されています。

4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
車両は東急車が入るようになって一気に多彩になりました。従来からの東武8000系・9000系・10000系・伊勢崎線筋から移籍してきた30000系・50000系・50070系・TJライナー用50090系、東京メトロ7000系・10000系に加え東急2代目5000系、横浜高速Y500系と、なんと4社11種類にもなります。これは京急に次ぐバラエティの豊富さです。
しかし、ダイヤ面ではこのバラエティを生かし切っているとは言えません。それはことに和光市で顕著な緩急接続の悪さです。メトロで和光市に到着すると、反対側のホームから急行が無慈悲に発車していく…という光景に何度も遭遇しています。和光市-志木間は複々線になっていますが、優等列車と各停がテンデンバラバラに走っているような印象を受けます。乗入れ駅とターミナル駅にズレがあるところが東上線のネックになっているように思います。乗客の流れが和光市中心に移行しているのに、いまだに各停の最短終着が成増のままで、急行停車駅になっているのは時代の流れに付いていけていないのではないかと思います。
d0044222_17535129.jpg
2011.7.3 東武鉄道東上本線新河岸-川越間
d0044222_17563194.jpg
2011.7.3 東武鉄道東上本線新河岸-川越間
d0044222_1821854.jpg
2012.6.23 東武鉄道東上本線みずほ台駅
d0044222_186496.jpg
2012.6.23 東武鉄道東上本線みずほ台駅
d0044222_1893313.jpg
2012.6.23 東武鉄道東上本線柳瀬川駅
d0044222_1810548.jpg
2012.6.23 東武鉄道東上本線柳瀬川駅
d0044222_1814159.jpg
2013.3.16 東京急行電鉄東横線都立大学駅
d0044222_1817685.jpg
2013.3.16 東京急行電鉄東横線都立大学駅
5.総合診断
東武の本線格は相互乗り入れを行っていますが、メトロを介しての乗入れ相手がいずれも東急というのは奇しき因縁を感じます。そして、乗り入れのメリットを半ば独り占めしているような東急に対してかなりワリを食っているところまで一緒です。
和光市というかなり下ったところからメトロが乗り入れてくることにより、乗入れ列車を確定にしなければならないところが最大のネックですが、せっかく快速というコンテンツを導入したのですから、西武がやっているように快速を乗り入れ列車中心にして和光市からの運用にするとか工夫はいくらでもできるのではないかと思います。それができなくてもせめて和光市での緩急接続をもっと改善してほしいと思います。小田急が代々木上原でやっているような緩急接続がなぜできないのか、そのあたり非常に不思議に思います。
もう一つ不思議なのは成増をどうしてそんなに重視するのかということです。成増止まりの各停は今やあまりメリットがあるとは言えず、電留線がないので和光市止まりは無理としても志木ゆきに統一して、今の通勤急行を準急にすればだいぶ利便性が向上するのではないか…乗り入れのメリットをもっと生かす努力が必要だと思います。


★★★(星は5つが最高です)
by borituba | 2013-05-06 10:05 | てつどう | Comments(2)

1.路線の距離と所要時間(スピード)
品川-浦賀間の本線55.5km、堀ノ内-三崎口間の久里浜線13.5jm、京急蒲田-羽田空港国内線ターミナル間の空港線6.5km、金沢八景-新逗子間の逗子線5.9km、京急川崎-小島新田間の大師線4.5kmからなります。堀ノ内以遠は本線も久里浜線も各駅停車となります。主要駅間の所要時間は、快特で川崎まで10分・横浜まで17分・上大岡まで27分・金沢文庫まで34分・横須賀中央まで45分・久里浜まで53分・三崎口まで1時間7分、堀ノ内乗換えで浦賀まで55分、上大岡乗換えで新逗子まで51分です。競合関係にあるJR横須賀線が品川-横浜間約23分・逗子までで約1時間ですから、圧勝と言っていいでしょう。ちなみに品川-浦賀間を普通で乗り通すと約2時間です。
羽田空港までは品川から快特で16分、急行で25分、横浜から急行で26分です。競合する東京モノレールは浜松町-羽田空港第2ビル間19分ですから、かなり伯仲していると言えるでしょう。

2.乗入れの形態
都営地下鉄浅草線と泉岳寺駅でつながっています。京急本線は泉岳寺を起点としていますので、京急側から見れば両端型ですが、都営側から見ると合流型になります。ただ、都営浅草線を介して京成押上線へ乗入れ、さらに京成本線・北総鉄道・成田スカイアクセスへと乗入れて、関東平野を縦断する乗入れネットワークを形作っています。
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
京急は創業当時から独立独歩を半ば伝統にしてきたため、ターミナル駅の品川・横浜を除き他路線とのアクセスが少ないのが特徴です。特に品川-川崎間には全く他路線とのアクセス駅がなく、川崎以遠になって八丁畷で南武支線とのアクセスがあるだけです。ただ、京急新子安・仲木戸の両駅は京成関屋と東武牛田のようにJR駅と接しています。あとは上大岡・金沢八景くらいです。主要駅からはバス路線が発達してアクセス路線の少なさを補完しています。空港線では天空橋で東京モノレールとアクセスしていますが、競合路線のためアクセス関係は非常に薄くなっています。
優等列車は(エアポート)急行・特急・快特の3種があります。京急の快特・特急は連続停車が少ないのが特徴で、快特の金沢文庫・金沢八景、特急の金沢文庫・金沢八景・追浜と汐入・横須賀中央に連続停車するくらいで、横浜南部と横須賀市内での利便性に配慮した結果です。最速の快特の停車駅は京急蒲田・京急川崎・横浜・上大岡・金沢文庫・金沢八景・横須賀中央・堀ノ内から各駅、特急は快特停車駅に青物横丁・平和島・神奈川新町・追浜・汐入が加わり、急行は金沢八景までの特急停車駅に立会川・京急鶴見・仲木戸・日の出町・井土ヶ谷・弘明寺・杉田・能見台が加わります。ただし急行は新逗子-羽田空港・品川-羽田空港の2系統に分かれています。品川からの急行は朝夕ラッシュ時だけの運転ですが、新逗子からは終日運転されています。逗子線・空港線では急行は各駅に停車します。空港ゆきの快特は途中蒲田のみ停車の「並エア快」と、蒲田を通過する「上エア快」があり、上エア快は都営線内は快速・京成/北総ではアクセス特急になり、ラインカラーはオレンジで並エア快と区別されています。そのほか夕ラッシュ時には下りのみに整理券制の「Wing号」が運転されます。川崎も横浜も通過して上大岡までノンストップで、そこからは快特と同じになり、整理券も芙蓉になります

4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
2012年10月、最後まで残っていた蒲田駅周辺の完全高架化が完成し、それに伴ってダイヤ改正が行われました。ここでは他社の診断とは異なり、どのように変わったかをまとめておきます。
①日中の12連快特の消滅。
②エアポート快特が鎌田停車の「並エア快」と蒲田通過の「上エア快」にはっきり区別された。
③日中の品川方のエアポート急行が「並エア快」に格上げ。
④横浜方のエアポート急行が大増発され、新逗子ゆき普通が消滅。本線普通は浦賀ゆきに統一されて神奈川新町での車両交換のための新町止まり/始発が大幅に増えました。
⑤品川-鎌田間に普通列車が新設。日中の停車列車現象に対処。
主にこの5点ですが、特に品川-横浜間での緩急接続が少ないという問題は残っています、また、空港アクセスを優先したダイヤにより、車両の運用は前にもましてアクロバティックになっています。高架化完成で梅屋敷駅での6連普通のドア閉鎖(いわゆる「ハミ電」)が解消したものの、ダイヤ改正で車両が不足するために4連普通が却って激増することになりました。
車両は、京急6種・京成5種・北総5種・都営1種の計16種もの車両が品川に出入りしています。京成・北総車は品川-羽田間の運用ですが、都営5300形のみ三崎口まで乗り入れ、乗入れネットワークのすみずみまで走ります。
京急車は乗入れ不可の地上専用車の「普通車一代」800形と「往年のA快特専用車」2000形以外はすべて乗入れ対応車になっており、2代目600形と2代目1000形のステンレス車はアクセス特急対応で成田空港まで乗り込みます。なお、A快特用の2100形は乗入れ対応ですが、都営側が入線を拒んでいるため泉岳寺までの乗り入れになっています。
d0044222_124983.jpg
2012.8.16 京浜急行電鉄本線品川-北品川間
d0044222_181443.jpg
2012.10.27 京浜急行電鉄本線品川-北品川間
d0044222_111157.jpg
2012.11.20 京浜急行電鉄空港線糀谷駅
d0044222_117212.jpg
2012.11.3 京浜急行電鉄本線梅屋敷駅
5.総合診断
高架化完成でハード面のツールが整ったことにより、先のダイヤ改正で京急は羽田アクセス優先という方針に大きく舵を取りました。空港アクセス列車の実質倍増によってそれはある程度達成されていると思います。
しかし、以前から指摘されていた、日中の緩急接続が少ないという課題は半ば置き去りにされた形でむしろ悪化しており、エア急が消滅した品川-蒲田間では深刻です。横浜方面でも問題は同様で、エア急が増発されたことで普通列車が減少。急行が停まらない駅での利便性は犠牲になっています。現在は早朝・深夜と朝夕ラッシュのみになっている特急を日中にも運転する(現在SH快特になっている列車を昔の主力だった「H特急」にする)とか、空港アクセス充実に伴う本線の犠牲をどう軽減・解消するかが京急の抱える最大の問題だと思います。
現行のダイヤでは本線の犠牲を軽減できているとは言えず、大好きで子供の頃から追いかけている京急ですが心を鬼にしてこの点で星を2つカットしたいと思います。京急がこの課題の克服にどのような答えを出すのか、今後大いに期待したいと思います。

★★★(星は5つが最高です)
by borituba | 2013-01-04 19:55 | てつどう | Comments(0)

1.路線の距離と所要時間(スピード)
大崎-新木場間12.2km・8駅を約18分で結びます。路線の大半が地下で東京港を横断しているため、快速運転はしていませんがまずまず快速といえるでしょう。
2.乗入れの形態
大崎でJR東日本埼京線と相互乗入れをおこなっています。埼京線としては大崎が終点になるので両端型乗り入れということになります。ただ、埼京線が池袋-大崎間で東北・高崎線-横須賀・東海道線直通列車(湘南新宿ライン)と共用しており、また元々山手貨物線であることで貨物列車の運行もわずかながら残っており、当初より直通列車の本数は減少しています。いっそのこと乗入れを解消して線内往復に専念して埼京線・湘南新宿ラインとの連絡を重視した方がいいのではないかと思います。また、同じく元貨物線として計画・建設されたJR京葉線との間には新木場駅に連絡線がありますが、イベント列車や団体貸切臨時列車以外は乗り入れは行っていません。
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
他路線とのアクセスは大崎・大井町・天王洲アイル・国際展示場・新木場と8駅中5駅もあり、ベイエリアの末端を走る路線にしては結構便利です。埼京線は大崎-池袋間は実質「山手線快速」で、池袋以北では快速運転も行っていますが、りんかい線には快速運転はなく、すべて各駅停車になります。仮に行ったとしても元々貨物線で計画・建設されていたのを旅客線にしたもので待避駅がないため都営浅草線のように「停まらないだけ速い」程度の時間短縮にしかならないので、これは妥当な運営だと思います。
4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
日中は概ね1時間に7本、約8分間隔で運行しています。そのうち埼京線直通列車は3本、概ね20分に1本で、現行の東急東横線の日比谷線直通列車とほぼ同じレベルです。新宿以南の埼京線列車の本数を考えれば健闘しているとは思いますが、京急が1サイクル20分に3本、1時間に9本も直通しているのに比べればあまり利便性がいいとは言えません。また、大崎駅での湘南新宿ラインとの連絡もあまり良くないので、線内往復列車のダイヤにはかなり改善の余地があると言わざるを得ません。
車両はりんかい線70-000形とJR205系の2種類だけです。埼京線の路線距離が川越線を含めかなり長いため(営業キロで約4倍)、205系がりんかい線内運用で大崎-新木場間を行った来たりする「出稼ぎ運用」が非常に多くなったいます。りんかい線は地下鉄協会に加盟していますがl国土交通省はこの路線を普通鉄道として扱っているため(大崎-国際展示場間はトンネル扱い)、地下鉄用車両でない205系が入線可能になっています。なお、2013年にJRE233系が埼京線に入る予定になっており、当然乗入れ対応になります。
d0044222_19551056.jpg
2011.7.10 東京臨海高速鉄道りんかい線東雲駅
d0044222_1957187.jpg
2011.7.10 東京臨海高速鉄道りんかい線東雲駅
5.総合診断
りんかい線は東京港をはさんでベイエリアを横断的に結ぶ路線で、利便性はまずまずですが、乗客数が伸びません。その原因は偏に運賃の高さにあります。大崎-新木場の全線乗り通すと380円もかかるので、せっかくの相互乗入れの利便性を完全にぶち壊してしまっているのです。東京メトロ有楽町線と競合している池袋-新木場間でも、所要時間こそ38分対32分と互角に近いながら直通列車は1/3(1時間9本対3本)、運賃は倍以上(メトロ230円/埼京線・りんかい線590円)ではお話になりません。埼京線の路線事情もありますが、なにしろこの高い運賃(同じく地下鉄との乗入れを行っていながら運賃の高さから苦戦が続く埼玉高速・東葉高速と並んで「関東高額鉄道三羽烏」などというありがたくないあだ名が付いています)をどうにかしないとこの線の明日はないと言ってよく、埼京線との通し運賃の割引などの対策が急務だと思います。
将来はJR京葉線との乗り入れの実現が課題でしょう。東京ディズニーリゾートへのアクセス路線としてりんかい線の利便性を生かさない手はなく、東京駅での京葉線のアクセスの不便さが指摘されている今、新宿・渋谷、また東京モノレールと組み合わせた羽田などからのアクセス向上が期待できるだけに、早期の実現が求められます。しかしそれもこれも運賃問題の解決が先決であることは言うまでもありません。

★★(星は5つが最高です)
by borituba | 2012-12-24 20:51 | てつどう | Comments(2)

1.路線の距離と所要時間(スピード)
目黒-日吉間約12km・13駅を急行約17分、各停約27分です。緩急の差は約10分で、路線の規模を考えるとまあまあです。なお、鉄道戸籍上の目黒線は目黒-田園調布間で、田園調布-日吉間は東横線への片乗入れという形になっています。ただし、田園調布で折り返す「純目黒線列車」は存在せず、実質上は東横線との二重戸籍と見做した方がいいでしょう。実際目蒲線時代、の田園調布―多摩川間は二重戸籍(並走区間)になっていました。
2.乗入れの形態
目黒線は旧目蒲線(目黒-多摩川-蒲田間)の目黒-多摩川間を分離し、東横線日吉まで延伸して準本線格にグレードアップした路線です。格上げにあたっては地下鉄との相互乗入れを前提に行われました。その際同じような形で成立した田園都市線を参考にしたため両端型乗入れになっています。東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線と相互乗入れを行っています。都営・東京メトロの双方が路線を共有するという前代未聞の乗入れ形態となりました。
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
目黒線として独立した区間が短いので、他路線とのアクセスは大岡山での東急大井町線だけです。目蒲線時代は優等列車はありませんでしたが、相互乗入れ開始・準本線化と同時に急行が登場しました。停車駅は目黒・武蔵小山・大岡山・田園調布・多摩川・武蔵小杉・日吉の7駅です。要は田園調布から先は東横線急行と同じというわけですが、原則別線なので、東横線にお付き合いすることはなく、独自の停車駅設定も可能でなので、今後の東横線の動向によっては変わる可能性があります。
4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
日中は概ね急行1・各停2の15分サイクルです。急行は1本おきに都営からとメトロからとになり、その間の各停も概ね都営・メトロ交互に発着します。急行は全てどちらかの地下鉄乗入れで目黒線の途中止まりはありません。各停は目黒-日吉間の線内往復列車や車両基地のある奥沢止まり、武蔵小杉止まりがあります。車両は乗り入れはメトロ9000系・都営6300形・埼玉高速2000系に加え、東急は2代目3000系・2代目5000系の「2代目コンピ」が活躍しています。東急車は都営・メトロ両線に入線可能なので、イベント列車で都営とメトロにまたがって走る列車には東急車が起用されます。
d0044222_0133289.jpg
2012.11.25 東京急行電鉄目黒線多摩川駅
d0044222_017141.jpg
2012.11.25 東京急行電鉄目黒線多摩川駅
d0044222_0175719.jpg
2012.11.25 東京急行電鉄目黒線多摩川駅
d0044222_0182588.jpg
2012.11.25 東京急行電鉄目黒線多摩川駅
d0044222_019012.jpg
2012.11.25 東京急行電鉄目黒線多摩川駅
5.総合診断
東急は昔から新線の開通や乗入れ開始の度に路線変更や路線格の引き上げを「得意技」にしています。目黒線はその中でも最大規模の格上げとなりました。上りの地下鉄乗入れ列車が交互で、行先によって白金高輪での乗り換えが必要とか埼玉高速の運賃が突出して高いとかいう問題がありますが、それはあくまで乗入れ先の問題で、東急目黒線としては唯一、路線規模が格上げに追いつかず、未だに両線の編成両数が6連のままということです。ことにメトロ側は南北線全駅がすでに8連対応で建設されており、南北線が今後都心の動脈としての役割が重くなるまでに対応が獲れるかどうかが課題です。そして本来の目的である「東横線のバイパス」という役割は東横線が大きく変わる今、こちらの役割も大きく変わる可能性があります。
★★★★(星は5つが最高です)
by borituba | 2012-12-22 22:22 | てつどう | Comments(2)

1.路線の距離と所要時間(スピード)
渋谷-中央林間間31.5km・27駅を急行約37分、各停約56分で結びます。待避駅が多く、踏切が全くないので急行は3駅連続停車(鷺沼・たまプラーザ・あざみ野)があるわりにかなり快速と言ってよく、各停との差が約20分というのは通勤路線の急行運転としては文句なしの合格点です。これは偏に沿線開発に先行して路線を確定、敷設したことによる線形の良さと待避駅を多く設けて緩急接続が円滑であることに尽きます。
2.乗入れの形態
渋谷で東京メトロ半蔵門線とつながって相互乗り入れを行っています。両端型乗入れの典型で、のちの目黒線(旧目蒲線)の改良のお手本となりました。来春には東横線も両端型に変更されるので、東急で相互乗り入れを行っている路線はすべて両端型になります。
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
他路線とのアクセスは渋谷・三軒茶屋・二子玉川・溝の口・あざみ野・長津田・中央林間の7駅です。優等列車は朝ラッシュ時の上りに二子玉川-渋谷間が各停になる準急がありますが、日中は急行だけと至ってシンプルで、停車駅は渋谷・三軒茶屋・二子玉川・溝の口・鷺沼・たまプラーザ・あざみ野・青葉台・長津田・中央林間の10駅で、土曜・休日のみ南町田に停車します(準急は二子玉川まで急行と同じ、平日のみ運転)。緩急接続は鷺沼・長津田で行いますが、鷺沼で接続した列車は長津田では接続せず、逆に鷺沼で接続しない各停は必ず長津田で接続します。各停はこのほか桜新町・梶ヶ谷・江田・藤が丘で急行(準急)を待避します。待避・接続駅が多いことで優等列車のスピードアップを実現しているのは前述の通りです。
4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
日中は急行1に対して各停2の15分サイクル、急行直前の各停は桜新町で待避して長津田接続、直後の各停が鷺沼接続となります。急行は最低2本の各停を追い抜くことになるわけです。これが急行の快速性の高さの所以です。日中では概ね1時間に急行1本・各停1本が長津田止まりとなりますが、ほとんどが中央林間ゆきと接続しており、影響はほとんどないと言っていいでしょう。ただ、東京メトロの検車区が鷺沼にあるため、早朝・深夜のメトロ車運用列車の一部に鷺沼止まりがあります。車両は2代目5000系と新玉川線時代からの古豪8500系の東急車、メトロ8000系・08系、東武50050系・30000系があり、全て半蔵門線に直通します。ただし、上りに関しては8500系の一部は東武線に入線できないため、清澄白河ないし押上止まりとなり、押上止まりには東武車の出稼ぎ運用もあります。この点は東武伊勢崎線の診断で詳述します。
d0044222_014926.jpg
2012.5.13 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
d0044222_0181344.jpg
2012.6.17 東武鉄道伊勢崎線牛田駅
d0044222_0202036.jpg
2012.6.17 東武鉄道伊勢崎線牛田駅
d0044222_0223087.jpg
2012.5.13 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
d0044222_0243675.jpg
2012.5.13 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
d0044222_0302526.jpg
2012.3.10 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
5.総合診断
田園都市線は、東急の本線格路線の中では開通が最も遅い路線です。渋谷-二子玉川間は新玉川線として元から半蔵門線(7号線)との相互乗り入れ・田園都市線直通を前提に造られており、半蔵門線部分開業時には東急車のみで運転され「東急半蔵門線」とか言われていました。そんな経緯もあり、ダイヤの組成が今も東急主導になっているため、東急田園都市線側から見れば、相互乗入れの「お手本」と言って差し支えないほど円滑に運営されています。それで若干東武側がワリを食っているようにも感じますが、それは伊勢崎線診断のとき改めて検証するとして、東急側としては速達性、利便性とも文句のつけようがほとんどありません。このあたりは課題山積の東横線とは対照的であり、大都市近郊通勤路線として非常に安定していると言えるでしょう。現在曲がり角の相互乗り入れの世界としても、その標準となるべき姿ではないかと思います。
★★★★★(星は5つが最高です)
by borituba | 2012-12-19 21:56 | てつどう | Comments(2)

1.路線の距離と所要時間(スピード)
渋谷-横浜間約24km・21駅を各停約45分、急行約30分、特急約27分で結びます。停車駅数がかなり違うわりには特急と急行の差が小さいですね。同じく京浜間を結ぶ京急が約22kmで快特が約17分で走破するのに比べると軌間、停車駅数の差を考慮してもちょっと水を開けられすぎです。特急は湘南新宿ラインに対抗して鳴り物入りで登場しましたが、これではメリットは運賃くらいしかありません。地下鉄副都心線との相互乗入れが始まると、競合関係に拍車がかかることは確実で、一層のスピードアップが求められます。
2.乗入れの形態
相互乗入れには大きく分けて2つの形態に分かれます。お互いが起終点でつながっている「両端型」と、途中駅から乗入れてくる「合流型」です(今後の診断でこの項目ではこの用語を用います)。東横線は現在、東京メトロ日比谷線と相互乗入れを行っており、合流型乗入れですが、2013年3月16日からは同副都心線と渋谷駅でつながり、日比谷線との相互乗入れは解消するので、両端型になります。両端型になることで列車種別に融通が利くようになるので、特急の増発・スピードアップが期待できます。
d0044222_2238478.jpg
2012.11.25 東京急行電鉄東横線都立大学駅
d0044222_22422562.jpg
2012.11.25 東京急行電鉄東横線都立大学駅
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
他路線とのアクセスは渋谷・中目黒・自由が丘・田園調布・多摩川・武蔵小杉・日吉・菊名・横浜の9駅、全体の2/5弱で、すべて急行停車駅です。優等列車の停車駅は特急が渋谷・中目黒・自由が丘・武蔵小杉・菊名・横浜の6駅、急行はこれに加えて学芸大学・田園調布・多摩川・日吉・綱島に停車、実に11駅と全体の半数以上の駅に停まることになり、急行とは名ばかりの「隔駅停車」などと揶揄されてきました。特に自由が丘-田園調布-多摩川の3駅連続停車は評判が悪く、学芸大学・多摩川・綱島を外して特急+2~3くらいにするような改革が必要と思います。
4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
日中は概ね特急1・急行1・各停3(日比谷線乗入れを含む)の15分サイクルになっています。緩急接続は自由が丘と菊名で行います。しかし、各停が待避できる駅は他に元住吉しかなく、急行が前述のとおりの「隔駅停車」ということで、特急のスピードアップのネックになっているのは否めません。
車両は、日比谷線乗入れ解消で18m車は姿を消すことになり、20m4扉に統一されます。乗入れ車両も現在のメトロ03系に代わって、西武6000系・東武9000系・50070系・メトロ7000系・10000系と一気に多彩になります。一方の東急車は、乗入れ解消を機に1000系が引退(ただし車両不足補填のため日比谷線に譲渡ないしリースで生き残る可能性があります)、9000系と2代目5000系の2系列になりますが、9000系は副都心線(地下鉄)対応でないため、線内運用専用になるか、2代目5000系10連編成の増備に伴って大井町線への転属や引退の可能性が濃厚です。ただ、これで車両のスペックが概ね揃うことになるので、列車のスピードアップやホームドア設置などの改善が期待できます。
d0044222_0163174.jpg
2012.6.23 東武鉄道東上本線みずほ台駅
d0044222_0185291.jpg
2012.6.23 東武鉄道東上本線みずほ台駅
d0044222_0244786.jpg
2012.8.13 西武鉄道池袋線東久留米駅
d0044222_027125.jpg
2012.9.17 東京急行電鉄東横線都立大学駅
d0044222_029314.jpg
2012.9.17 東武鉄道東上本線みずほ台駅
5.総合診断
曲がり角を迎えた相互乗入れの世界にあって、まさに角を曲がろうとしているのが東横線です。半世紀近くにわたって続いた日比谷線との縁を切り、急行停車駅のホーム延伸や2代目5000系10両固定編成の投入などかなりの設備投資をしてまさに「社運を賭けて」の一大プロジェクトとしての「歴史的握手」が始まろうとしています。
ハード面の改善は進みましたが、ソフト面。すなわちスピードアップや急行停車駅の改訂など課題は山積しています。特に、本体がとっくに移転してしまった学芸大学や、盛り場としてはもう過去のものになってしまった綱島、高級住宅街ということ以外の何物でもない田園調布(田園コロシアムも今はない)に急行を停めるメリットがあるとは思えません。副都心線乗入れという新しいコンテンツを手にする今、沿線の動向を検証し、運賃以外の「乗るメリット」を掘り起こす必要があり(池袋-横浜間で500円でお釣りが来る。というのは相当のメリットではありますが)、今こそチャンスだと思います。星は現状では2つが関の山ですが、期待と激励ををこめて3つにします。


★★★(星は5つが最高です)
by borituba | 2012-12-16 21:52 | てつどう | Comments(1)