昨日に引き続き

昨日に引き続きオーマンディとフィラデルフィアのベートーヴェンを聴いております。
昨日聴いた7番と8番が想像をはるかに上回る素晴らしい演奏だったので、今宵は1~6番を一気に聴いておりますが、昨日の2曲同様素晴らしいです。
基本的に終始イン・テンポで、音楽が自然に流れていくのが非常に心地よいです。それに加えフィラデルフィアの持ち味である芳醇なオーケストラ・サウンド。

20世紀後半に特にアメリカで活躍したハンガリー出身の指揮者たち。ライナー、セル、ショルティ、そしてオーマンディ。すべてベートーヴェンを演奏していますが、共通しているのはイン・テンポということ。と言っても昨今のあっさり味の低カロリーではありません。
そしてダイナミク・レンジが幅広くコントラストがくっきりしていること。
さらに気品というか、古典音楽としての品位を決して忘れない引き締まった表現。

そんな共通項を思いつつオーマンディのベートーヴェンを聴いていると、ユージン・オーマンディという指揮者の本質を我々がいかに誤解してきたかがわかるのです。

例えば第5番。フルトヴェングラーやクナッパーツブッシュとは対照的に、譜面を忠実にトレースするような演奏です。それをオーケストラの持ち味の明るく芳醇なサウンドであくまで自然に音楽が流れていきます。それはあたかも名優の朗読する大河小説のような心地よい響きです。
例えば第6番「田園」。これはオーマンディとフィラデルフィアの持ち味に一番合った作品であるだけに、ヴィーン・フィルに勝るとも劣らぬ名演です。各楽章の性格が明確で血の通った豊かな響きで流れていきます。

1・2・4・8の4曲はベートーヴェンのもう一つの顔である、先輩モーツァルトから受け継いだディヴェルティメント性が十二分に表現されたチャーミングと言ってもいいご機嫌な演奏です。
第3番「英雄」。2番や4番を聴いても感じることですが、なんと若々しい元気な演奏でしょう。第2楽章の葬送行進曲ももたれることのない淡々とした自然な流れが却って悲劇的に胸に沁みます。そして全曲にみなぎる気品。

いろいろ書きましたが、百聞は一聴に如かず。騙されたと思ってぜひ一度お聴きください。オススメします。
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by borituba | 2017-03-13 22:53 | おんがく | Comments(0)

今日はユージン・オーマンディ忌です。

連日のお祈り疲れで今日はぐったりしていましたが、大好きなオーマンディの命日ということで、少し聴きました。
両盤とも演奏はユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団。

ベートーヴェン:
交響曲第7番イ長調 Op.92
交響曲第8番ヘ長調 Op.93
オーマンディのベートーヴェンやブラームスは実に美しい演奏です。そして若々しさがあります。基本に忠実に折り目正しいイン・テンポ。フィラデルフィアの芳醇なオーケストラ・サウンドと手堅いアンサンブルの素晴らしさ。世評高いヨーロッパの巨匠たちの録音に決してひけをとらない素晴らしいベートーヴェンです。第8番のディヴェルティメントな味わいが最高です♪
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チャイコフスキー:
交響曲第4番ヘ短調 Op.36
弦楽セレナードハ長調 Op.48
オーマンディの十八番といえばやはりチャイコフスキーでしょう。三大バレエやマンフレッド交響曲などたくさんの名盤にはずいぶんお世話になりました。今宵はその中から弦の響きが素晴らしい2曲を楽しみます。交響曲第4番では名人揃いの耀かしい管楽器も素晴らしいです♪
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by borituba | 2017-03-12 20:28 | おんがく | Comments(0)

こんばんや。
今宵はふと思いついて池袋のユニオンで仕入れてきたオーマンディ/フィラデルフィア管のブラームス交響曲全集を聴いております。
オーマンディだしフィラデルフィアだし、お気楽微温湯なブラームスだろうなとタカをくくってましたが、聴いてみてビックリ。

とにかく徹頭徹尾のイン・テンポ。煽りもルバートも全くと言っていいくらいナシ、テンポは速すぎず遅すぎず…え、これって朝比奈じゃん?とにかくフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュとは対極の、朝比奈やザンデルリンクやヴァント、今日訃報が走ったスクロヴァチェフスキーに近い手堅いアプローチ。それはまるで余計な味付けをせず素材の味わいを活かしたお料理のようです。
そしてオーケストラがめちゃくちゃ上手い!アンサンブルが素晴らしいのは言うに及ばず、イン・テンポの中でのカンタービレ、音抜けがよくメリハリの利いた明るい管楽器の響き、内声までよく鳴 った芳醇な弦、重心の低い安定したハーモニー。
とにかく素晴らしく見通しと運びのよい演奏で、一気に4曲聴いても全くもたれないのです。
そしてなにより素晴らしいのはロマン主義音楽としての「華」があることです。オーケストラの語り口と持ち味をフルに引き出した見事な演奏です。

とにかく騙されたと思って一度聴いてみてください。オーマンディとフィラデルフィア管へのイメージが一変すること請け合い。オススメします♪
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by borituba | 2017-02-22 23:05 | おんがく | Comments(0)

私を素晴らしきクラシック音楽の世界にいざなってくれた往年の名盤が続々CDに復刻されて21世紀に蘇っています。
その中で私がクラシック音楽駆け出しの頃、最も「お世話になった」のはユージン・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団の名盤の数々でした。
今回は最近復刻され、再びその名人芸に触れることができるようになった名盤をいくつかご紹介します。

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はげ山の一夜~ロシア管弦楽曲名演集
タイトルの「はげ山の一夜」(ムソルグスキー作曲・リムスキー=コルサコフ編曲)を筆頭にロシア味にあふれた名曲を集めた小品集。オーマンディ/フィラデルフィアの最大の魅力である豊かな語り口とすばらしく上手いアンサンブルを堪能できる一枚です。全曲の白眉はグリエールの「赤いケシの花」の「ロシアの水兵の踊り」。一糸乱れぬアンサンブルがメロディが繰り返す度に速度を増し、プレスティッシモ(猛スピード)まで一気呵成に登り詰めるさまはまさにデモーニッシュ。狂気すら覚える戦慄の3分半!
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チャイコフスキー:三大バレエ名場面集
オーマンディのチャイコフスキーはどの曲も折り紙つきの名演ですが、中で最もすばらしいのが「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「眠りの森の美女」の「三大バレエ」です。三つともに定番の組曲がありますが、ここではオーマンディ独自の選曲による抜粋になっていて、曲順はバレエのストーリーに合わせて並べ替えられています。
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クロード・ドビュッシー:交響詩「海」、「牧神の午後への前奏曲」、「夜想曲」
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展覧会の絵&ボレロ~ラヴェル名演集
意外に知られていませんが、フィラデルフィア管弦楽団はフランスのオーケストラに近いスタイルのオーケストラです。全体に明るく透明度の高い音色、フットワークの軽い軽快なアンサンブル、偏りのない絶妙のバランス…こうした特徴から、フィラデルフィア管弦楽団は重厚なドイツの大交響曲より、ロシアやフランスの華やかな小品に向いていると言えます。
そこでおすすめしたいのがラヴェルとドビュッシーです。どちらも音色の透明度命、色彩感と語り口も必要となれば名演にならないわけがありません。
二つのアルバム共通の注目は音抜けのいい管楽器、中でもオーボエとコールアングレがすばらしいことです。オーボエは当時のフィラデルフィアの看板だった名人ジョン・デ・ランシー。コールアングレはクレジットがないので名はわかりませんが、すばらしい使い手であることは間違いありません。

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by borituba | 2015-10-25 21:13 | おんがく | Comments(0)