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今日3月28日はラフマニノフ忌です。

不思議に日本人に人気の高いラフマニノフ。やはり美メロのてんこ盛りのロマン味が愛されているわけですが、あっしは実はそのあたりが苦手でして、好きな録音はあまりロシア味やロマン味を強調しないクールな演奏を好んで聴いています。

特にピアノ協奏曲はヴィルトゥオーゾ系より手堅いビターチョコのような「大人のラフマニノフ」が好きで、ティボーデとレーゼルをもっぱら愛聴しています。
ピアノ協奏曲第2番はラフマニノフの代名詞のような作品ですが、実はピアノ協奏曲としてはかなり異形な作品なのです。全体を通してメロディや主題より伴奏音形を弾くことが多く、ピアノとオーケストラの主従が逆転しているのです。病み上がりの作品ということでヴィルトゥオジティの表現がかなり慎重になっているのでしょう。カデンツがないのも特異な特徴です。ピアノ協奏曲というよりピアノつき交響曲という印象です。
その反動か、次の第3番では主従がピアノ主導に戻って、長大で超絶技巧のカデンツも復活。協奏曲の中にピアノ・ソナタが1曲入っているかのような印象です。多分ピアニスト・ラフマニノフとしても全盛期の作品なのでしょう。
そのせいか、ヴィルトゥオーゾ系のピアニストで第2番を弾かない人もいます(ホロヴィッツとアルゲリッチが代表者)。

ピアノ協奏曲全集
ジャン=イヴ・ティボーデ(ピアノ)
クリーヴランド管弦楽団
ウラディーミル・アシュケナージ(指揮)
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ペーター・レーゼル(ピアノ)
ベルリン交響楽団(旧東ドイツ、現:ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団)
クルト・ザンデルリンク(指揮)
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近年、日本でもよく演奏されるようになり、人気曲の仲間入りした交響曲第2番は、チャイコフスキーの第5交響曲とならぶロシア・ロマン主義音楽の精華と言えるでしょう。ザンデルリンクがフィルハーモニア管から濃厚なロシア味を引き出した素晴らしい演奏を聴きます。録音もよくお薦めします。
交響曲第2番ホ短調 Op.27
フィルハーモニア管弦楽団
クルト・ザンデルリンク(指揮)
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ラフマニノフは革命を嫌ってアメリカに亡命、ピアノ協奏曲第4番などを発表しますが、ロシア味が後退してあまり評価されず不遇な晩年を送ります。最晩年になって望郷の想いから濃厚なロシア味が復活、同時に死期を悟ったかのようにグレゴリオ聖歌の「怒りの日」を採り入れた作品を書き、作曲家人生を締めくくります。
それが「パガニーニの主題による狂詩曲」と「交響的舞曲」です。前者はピアノとオーケストラ、後者は管弦楽の曲ですが、いずれも協奏曲第5番、交響曲第4番と言ってもおかしくない力作で、交響的舞曲は近年演奏会に出るようになり、吹奏楽の世界では編曲版がコンクールや演奏会の屈指の大ネタとしてよく出ます。ラトル/ベルリンの録音をよく聴きます。
交響的舞曲
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル(指揮)
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指揮者としては突っ込みどころの多いアシュケナージですが、ラフマニノフのピアノ曲の演奏は非の打ち所のない名演です。特に24曲の前奏曲は素晴らしいです♪
前奏曲嬰ハ短調 Op.3-2
10の前奏曲 Op.23
13の前奏曲 Op.32
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
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by borituba | 2017-03-28 22:45 | おんがく | Comments(0)