2007年 03月 17日
シリーズ:ローレル賞の系譜-5
第18回(1978年)受賞の都電荒川線7000形です。7000形自体はローレル賞制定前の昭和29(1954)年に路面電車用としてデビューしましたが、都電が現在の荒川線のみになり(荒川線は旧32系統早稲田-王子駅前間と27系統の三ノ輪橋-王子駅前間を統合した路線)、道路上の電停がなくなったことにより、電停ホームをかさ上げして、車両をステップのないバリアフリーにすることになりました。
そこで荒川線用として残された7000形は車体を新造し、近代的なスマートなボディーとなりました(旧車体の車両は函館市電で活躍しています)。このとき番号も整理され、旧車体時の若い番号から順に7001からの番号が振りなおされています。そのため更新車両ながら「新車扱い」となり、また、バリアフリー車両という点が評価され、路面電車としては初の受賞となりました。
登場当初は、リニューアルを機に赤帯から青帯に変更されたほかはそれまでの都電車両と同じく黄色に塗装されていました。その後昭和60(1985)年からの冷房化、集電をビューゲルからパンタグラフに変更するなどの改造を行なった際に現在の塗装になりました。このうち7022号車は、2005年から登場時の塗装に復元されています。当初はその年の「路面電車の日」期間限定の予定でしたが、好評だったため、現在も旧塗装のまま走っています。
7000形は、その後新形式の8500形のデビューで4両が廃車、4両が豊橋鉄道に譲渡されました。豊橋では都電時代に車体交換の最大の理由だったノンステップ化に逆行してステップが新設されたり、扉が折戸になったりと大改造されています。
「新生」7000形のトップナンバー(旧7055)は、新造時から今の荒川線系統にいた言わば「生え抜き」です。現在は7001号車として派手な広告ラッピングに身を包んで活躍中です。また、台車は旧車体時代のままになっているため吊掛けで、現在後輩の7500形とともに東京都内で唯一の吊掛け車両になっています。