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シリーズ:田原町駅の歌舞伎紋章-6

「踊りの神様」と称された七代目坂東三津五郎の紋「三ツ大」です。本来「三ツ大」は、下が一つで上が二つ(画像と逆)なのだそうですが、末広がりで座りがいいことと、かつて石田三成の紋所だったことから、江戸時代以降はこちらの方が使われるようになりました。
日本舞踊の四大流派(藤間・坂東・西川・花柳)のうち、家元が役者と舞踊家を兼ねているのは藤間(家元は現松緑)と坂東がありますが、藤間は勘十郎(宗家)派と勘右衛門(家元)派に分かれて久しく、名跡が役者と一緒なのは坂東だけです。
「三津五郎」という名前は、三箇津(さんがのつ)、すなわち江戸、京都、大阪の三都で曽我五郎を踊ることを許された。ということが由来になっています。初世以来踊りの名手として代々が活躍し、大正から昭和前半にかけて活躍した七代目は、飄逸な芸風とすぐれた踊りの技術が持ち味で、同世代で同じく舞踊を得意とした六代目菊五郎と共に「棒しばり」に代表される楽しい舞踊劇を創造。また単独でも「喜撰」や「時雨西行」など雅趣あふれる舞踊(若い頃は「源太」などのきびきびした踊りも得意であった)が絶賛されました。現在、六代目の孫の現勘三郎と七代目の曾孫の現三津五郎(互いに同い年)が往年の名コンビの復活とたたえられています。
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2005.12.15 東京地下鉄銀座線田原町駅
by borituba | 2005-12-26 09:34 | おしばい