ラヴェルの誕生日によせて

今日はモーリス・ラヴェルの誕生日です♪

そこで手持ちの音源を引っ張り出して聴いてみることにしましたが、ラヴェルの作品は日頃から聴き倒しているので、こういう特別な機会には変わった聴き方をしてみようか、ということで、先日のショパンの誕生日にやったように、フランスにこだわらずに多国籍な音源でラヴェルの世界を楽しもうということにしました。
まずは管弦楽。「ダフニスとクロエ」はあっしが一番好きなラヴェルですが、今日はクリュイタンスやミュンシュを措いて、ラヴェルに私淑していて実はフランス音楽巧者だったバーンスタインと、実は昨日が誕生日、なんと今日が命日というキリル・コンドラーシンの全曲版の録音を聴いてみました。どちらもスケールの大きな、そして美しい演奏です。
三顧の礼で迎えたミュンシュがわずか2年で世を去られてしまい、シェフ不在となったパリ管を、カラヤンが一年だけ面倒を見たことがあり、カラヤンとしては異色の録音をいくつか遺しました。その中にラヴェルの作品があります。「道化師のアルボラーダ」「スペイン狂詩曲」「クープラン氏のトンボー」「ラ・ヴァルス」…いずれもカラヤンの唯一の録音ですが、意外にもこれが素晴らしい。20世紀音楽では新古典主義と一番ウマが合ったカラヤンの精緻な指揮がラヴェルのスコアの緻密な美しさを存分に引き出しています。特に「クープラン氏のトンボー」と「ラ・ヴァルス」が圧巻です。
アメリカのオーケストラは機動力と表現力に優れているので、ラヴェルの緻密なアンサンブルの表現に向いていると思います。ジャン・マルティノンがシカゴ時代に録音したラヴェルは、後にパリ管と録音した全集を凌ぐ水際だった素晴らしい演奏です。何と言ってもオーケストラが上手いです。「ダフニスとクロエ」第2組曲の充実した響きが最高です。
往年のアメリカ「ビッグ5」の中で最もフランス的な響きを持っていたのは、意外にもオーマンディ時代のフィラデルフィア管だと思います。オーケストラの上手さは勿論ですが、色彩感や語り口がよく、フランスの味わいがよく出ています。
クリーヴランド管はセル時代はあまりフランス音楽の演奏には熱心ではありませんでしたが、セル時代に鍛え上げられた強靭なアンサンブルは、後にピエール・ブーレーズによるラヴェル録音でフルに機能し、ブーレーズの精緻に読み込まれ分析されたスコア捌きを十二分に表現することになりました。2つのピアノ協奏曲におけるツィメルマンとのコラボレーションが素晴らしいです。
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一方、室内楽・器楽曲では俄然フランス組が素晴らしいですが、ここでは精緻なアンサンブルを誇るボロディン・クヮルテットの「弦楽四重奏曲」と、トリオ・フォントネーの「ピアノ三重奏曲」を。
ピアノ曲はやはりサンソン・フランソワです。「夜のガスパール」「鏡」「クープラン氏のトンボー」の3大組曲のめくるめく閃き、「ソナチネ」「古風なミヌエ」の新古典主義の極み。

ラヴェルの歌曲は、フォーレやドビュッシーやプーランクと違い、オーケストラや室内楽とのコラボレーションが多いのが特徴的です。また、異国情緒を前面に押し出した歌が多いのもラヴェルならではの特徴です。「シェヘラザード」「5つのギリシャ民謡」「マダガスカル島民の唄」など異国の風薫る作品を楽しみましょう♪
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by borituba | 2017-03-07 22:07 | おんがく | Comments(0)