2017年 02月 21日
今日の三枚~ドリーブとヴィドールの誕生日によせて
今日は地味ながらフランス音楽の歴史的には重要な二人の作曲家の誕生日です。
一人はレオ・ドリーブ(1836-1891)。19世紀中盤のロマンティック・バレエとオペラ・コミークの中心的作曲家です。ビゼーとほぼ同世代ですが、ほぼほぼ舞台作品の作曲に特化した作曲家人生のためもあって、その作品はフランス以外ではあまり上演されず、バレエでは「コッペリア」、オペラでは「ラクメ」が有名なほかはあまり知られていません。
しかし、「コッペリア」と「シルヴィア」の組曲は日本では吹奏楽編曲版が有名で、コンサートやコンクールでもよく出ます。
また、オペラ作家であったので、コロラトゥーラ・ソプラノを好み、「ロシニョール」「カディスの乙女」というコロラトゥーラ・ソプラノの貴重なレパートリーになっている歌曲を書いています。
今宵はこういう曲をやらせたら天下一品のオーマンディとフィラデルフィア管で「コッペリア」「シルヴィア」を、「カディスの乙女」をコロラトゥーラの名手グルベローヴァで楽しみます♪
そしてもう一人はシャルル=マリー・ヴィドール(1844-1937)。優れたオルガニストでもあって、作品の大半がオルガン曲であるため、日本ではあまり知られていない作曲家ですが、フランクからメシアンへと連なるフランスの近代オルガン音楽の伝統を支えた一人です。ヴィエルヌとデュプレという二人の近代オルガン音楽の中興の祖を育て(そのデュプレの弟子がメシアン)、中でもオルガン音楽に「交響曲」という概念を持ち込んだということが最大の功績で、9曲の「オルガン交響曲」はいずれも力強さに満ちた傑作です。今宵はオルガン交響曲を中心に聴きどころをコンパクトにまとめたオルガン作品に定評のあるナクソスならではの一枚を楽しみます♪