シリーズ・東京の私鉄診断-東武伊勢崎線(東京スカイツリーライン)

1.路線の距離と所要時間(スピード)
全線は浅草-伊勢崎間114.5kmですが、今回の診断では主に都心への通勤アクセス路線である東武動物公園までの41.0kmについて述べます。現在浅草-北千住間は実質ローカル線のような扱いになっていますので、基準となる優等列車は地下鉄からの乗り入れ急行になります。押上からで北千住まで9分、西新井まで15分、草加まで20分、新越谷まで25分、春日部まで40分、東武動物公園まで47分です。北千住まで9分もかかっているのは荒川(旧荒川放水路)の掘削に伴う線形の変更で急カーブの連続となったことでスピードアップが困難なためですが、北千住-東武動物公園間は私鉄最長の複々線区間の効果もありかなりの快速になります。浅草からは北千住・竹ノ塚ゆきの普通が10分間隔で運転されています。上下とも曳舟で地下鉄乗り入れ列車と接続しています。北千住からの普通は東京メトロ日比谷線乗り入れの列車が担当しています。
2.乗入れの形態
曳舟(正確には押上)で東京メトロ半蔵門線、北千住で東京メトロ日比谷線とつながり、相互乗り入れを行っています。どちらも合流型乗り入れです。浅草駅が松屋デパートのビルに半ば強引に突っ込む形で作られたので、乗入れ線を引き込むことは不可能なのでやむを得ない携帯ではあります。そのため近年は北千住が運転系統上のターミナルとなっており、半蔵門線乗入れ列車は急行で曳舟-北千住間は通過、日比谷線乗入れ列車は北千住-東武動物公園間普通と役割が完全に分かれています。
3.路線の便利度(他路線とのアクセス・優等列車)
他路線とのアクセスは浅草・(押上)・曳舟・牛田(関屋)・北千住・西新井・新越谷(南越谷)・春日部・東武動物公園・久喜で、乗り入れの東京メトロ日比谷線のほか同千代田線、JR常磐線、つくばエキスプレスとアクセスする北千住が路線全体のターミナルとなっています。今回の診断では取り上げませんが、観光列車である特急も全列車が北千住に停車し、乗車率.が大きく変わります。
優等列車はかつては「区間○○」が多く複雑だったのを日中に関してはほぼ急行一本に絞ってシンプルになりました。急行停車駅は「りょうもう」の特急格上げまでの準急をほぼ踏襲した形ですが、西新井・竹ノ塚の連続停車をやめて交通の要衝度の高い西新井のみの停車としました。全て半蔵門線乗入れ列車で都心まで直通します。停車駅は押上・曳舟・北千住・西新井・草加・新越谷・越谷・せんげん台・春日部・東武動物公園から日光線南栗橋・伊勢崎線久喜まで各停です。朝夕ラッシュ時のみの運転になった区間準急は浅草-北千住間各停・北千住-新越谷間は急行と同じで新越谷以遠各停、区間急行は浅草始発で北千住まで各停・北千住-東武動物公園間急行です。

4.ダイヤ(路線内乗継の問題など)と車両
通勤列車で見る限り、基本的に浅草-北千住間と北千住-東武動物公園(久喜・南栗橋)間で分割されていると言っていいでしょう。浅草始発の普通(区間準急を含む)は曳舟で半蔵門線直通の急行に接続、鐘ヶ淵で特急・区間快速を待避というパターンができあがっています。北千住から日比谷線列車が乗り入れてきます。日比谷線が東急東横線への乗り入れをやめたので、日比谷線から東武へ乗入れ可能な列車が増え、北千住からの普通運用のほとんどを担うようになりました。また、一部の列車の終着が南栗橋まで延長されるなど、思わぬ恩恵も発生しています。
東京スカイツリーの開業で、浅草-北千住間に観光路線としての性格が戻ったかに見えましたが、大改装の上駅名まで変え、特急停車駅にまでしたとうきょうスカイツリー駅(旧業平橋)よりは他路線とのアクセスが便利な押上駅の方が最寄駅としては優勢のようです。
車両は乗り入れ列車用の車両は以前の日比谷線・半蔵門線・東急田園都市線の診断をご参照ください。その他の地上専用の車両はほぼ10000系と半蔵門線乗り入れ用機器を外した30000系の2種類になっています。東上本線ではまだ主力の一角を担っている8000系はこちらではすでに支線の亀戸線・大師線以外からは撤退しています。浅草始発の普通の本数が10分間隔で、うち1本は北千住止まりなので、北千住-東武動物公園間においては乗入れ車両への依存度が非常に高くなっているのが伊勢崎線の特徴になっています。
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2012.12.29 東京地下鉄日比谷線中目黒駅
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2013.5.4 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
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2013.5.4 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
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2013.5.4 東武鉄道伊勢崎線東向島駅
5.総合診断
今回この記事を書くために伊勢崎線をいろいろ調べてみて、この路線の意外な底力がわかってちょっと驚きました。20kmにおよぶ私鉄最長の複々線をフルに活用して観光列車と通勤列車のバランスを維持しながら、相互乗り入れ列車を普通・急行に役割分担させることで都心とのアクセスをかなり充実させてきています。日比谷線乗り入れ列車は路線規格の関係で18m車しか入れませんが、東急との縁が切れたことで全列車が東武線乗入れ可能になり、その恩恵で乗り入れ列車が増発、運転区間も南栗橋まで延びて合流型乗り入れの不利を完全に払拭しました。半蔵門線乗り入れの急行も曳舟-北千住間のカーブ連続区間が若干ネックではありますが、健闘しているといっていいでしょう。東武動物公園までの区間に限っては乗り入れ列車が完全に主役になっており、看板は観光列車に任せてこっちは乗入れ車でしっかり稼ぐという、老舗私鉄のしたたかさを感じます。
★★★★★(星は5つが最高です)
Commented by きひゃ3 at 2013-05-22 15:17 x
昼間の竹ノ塚~久喜・南栗橋間から地上車(10000系・30000系半蔵門非対応)が撤退したのは結構私にとって衝撃的でした。
Commented by ディタ at 2016-03-03 03:26 x
初めまして。検索サーチで見つけて読ませていただきましたが、幾つか間違いが有りますので訂正を。

>>急行停車駅は「りょうもう」の特急格上げまでの準急をほぼ踏襲した形ですが、西新井・竹ノ塚の連続停車をやめて交通の要衝度の高い西新井のみの停車としました。

ここの部分ですが、旧来の準急が急行に格上げされたのは2006年であり、「りょうもう」が特急化されたのは半蔵門線が乗り入れる前の1999年なのでこれは誤りです。
また、竹ノ塚駅は戦前の時代から普通しか止まらない駅であり、旧準急が西新井・竹ノ塚に連続停車していた事実はありません。これも誤りです。

>>浅草始発の普通(区間準急を含む)は曳舟で半蔵門線直通の急行に接続、鐘ヶ淵で特急・区間快速を待避というパターンができあがっています。

これも、2006年の大改正以降平日日中と夕ラッシュ時、及び休日の浅草・北千住始発の普通・区間準急は特急や快速のケツ打ち走行であり、ダイヤが乱れた時以外は鐘ヶ淵で退避するパターンはありません。現状、朝ラッシュの下りで半蔵門線から来る列車の退避が有るくらいです。

以上、古い記事に申し訳ありませんが、明らかな間違いなので報告させていただきました
by borituba | 2013-05-19 16:33 | てつどう | Comments(2)