シリーズ「吹奏楽の楽器たち」第9回

19世紀のベルギーに、アドルフ・サックスという楽器造りの職人がありました。彼はすぐれた技術を持ち、そのころ飛躍的に発展した金属加工の技術を生かして、新しい楽器の発明・開発を始めました。第3回でご紹介したバリトンは、彼が開発した楽器の一種です。金管楽器でサクソルン属と呼ばれるこれらの楽器は、まずフランスの軍楽隊で採用され、ドーバー海峡を渡ったイギリスではこれらの楽器を中心にした(英国式)ブラスバンドが労働者階級の福利厚生(クラブ活動。サッカーのプレミアリーグももともとは労働者のクラブ活動が発祥)として普及しました。
アドルフ・サックスは木管楽器も開発しました。クラリネットを基に、より扱いやすく音の出しやすい楽器を作ったのです。これが現代に伝わるサキソフォンです。木管楽器の機構で作られていますが、本体を金属でつくりました。クラリネットは直管ですが、サキソフォンは唄口から円錐形に管が広がっています。金属製のため温度や湿度の影響を受けにくいため野外演奏の機会が多い軍楽隊に採用され、クラリネットより扱いやすいので長時間の演奏にも向いているのでトランペットなどと共にジャズに取り入れられ、たくさんのジャズ・ジャイアンツが出現することになって大いに発展したのはご存知の通りです。
吹奏楽ではユーフォニアムと同様中音域の要としての役割のほか、フルート、クラリネット属だけでは細くなるサウンドに「厚み」を加える役割、アレンジ作品では弦楽器のソロを受け持つ主役として、吹奏楽になくてはならない楽器になりました。
サキソフォンは上からソプラニーノ、ソプラノ(画像左)、アルト(画像右)、テナー、バリトン、バスと6種類あり、通常はB♭ソプラノからE♭バリトンまでの4種を用います。比較的歴史の新しい楽器なので、楽器の調性は整理されており、ソプラニーノから順にE♭、B♭が交互になっています。
d0044222_1911441.jpg
2005.8.13 合宿所合奏場にて
[PR]
by borituba | 2005-08-25 20:19 | おんがく | Comments(0)