2005年 08月 25日
シリーズ「吹奏楽の楽器たち」第9回
アドルフ・サックスは木管楽器も開発しました。クラリネットを基に、より扱いやすく音の出しやすい楽器を作ったのです。これが現代に伝わるサキソフォンです。木管楽器の機構で作られていますが、本体を金属でつくりました。クラリネットは直管ですが、サキソフォンは唄口から円錐形に管が広がっています。金属製のため温度や湿度の影響を受けにくいため野外演奏の機会が多い軍楽隊に採用され、クラリネットより扱いやすいので長時間の演奏にも向いているのでトランペットなどと共にジャズに取り入れられ、たくさんのジャズ・ジャイアンツが出現することになって大いに発展したのはご存知の通りです。
吹奏楽ではユーフォニアムと同様中音域の要としての役割のほか、フルート、クラリネット属だけでは細くなるサウンドに「厚み」を加える役割、アレンジ作品では弦楽器のソロを受け持つ主役として、吹奏楽になくてはならない楽器になりました。
サキソフォンは上からソプラニーノ、ソプラノ(画像左)、アルト(画像右)、テナー、バリトン、バスと6種類あり、通常はB♭ソプラノからE♭バリトンまでの4種を用います。比較的歴史の新しい楽器なので、楽器の調性は整理されており、ソプラニーノから順にE♭、B♭が交互になっています。