シリーズ「吹奏楽の楽器たち」第4回

クラリネットは、吹奏楽ではアンサンブルの中心といっていい楽器です。オーケストラではチューニングのときはコンサートマスターがオーボエからAの音をもらって合わせていきますが、吹奏楽では概ねクラリネット(アルトサックスの場合もあります)がB♭を出して合わせます。
クラリネットは、クラリーノという木製のラッパが原型といわれ、かつてはリコーダーとおなじく柔らか目の木でつくられていました。現在のようにグラナディラや黒檀のような堅い木で作られるようになったのは18世紀末から19世紀になってからで、同時にキーの数も増えて音域が広がり、楽器の調性も整理されていきました。
現在、クラリネット属は高い順にE♭管(画像右)、B♭管(画像左)、A管(オーケストラで古くから使われている管で、古典曲には欠かせない。また、近代曲では持ち替えも行なう)、アルト(アンサンブルでよく使われる)、バス(画像下)が主に使われます。他にバセットホルン(モーツァルトの時代に開発され、管楽合奏曲に使用される)、コントラアルト、コントラバス(吹奏楽では最近よく使われるようになりました)、超高域を担当するA♭管などがあります。
E♭管は比較的近代、といってもベルリオーズの時代になって導入され、「幻想交響曲」で活躍するほか、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」などフランスの近代曲でよく使われます。ロマン派音楽が極限まで肥大化したドイツではマーラーの交響曲やシェーンベルクの初期の作品などで使われるようになり、おもに「金切り声」のような刺激的な表現に用いられます。
B♭管は吹奏楽のアンサンブルの根幹をなす楽器で、現在、クラリネットを始める人たちが初めて手にする楽器であり、クラリネット属の基本となる楽器です。
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2005.8.13 合宿所合奏場にて
バスクラリネットは、ワーグナーの時代に開発され、オーケストラの音域の拡大、音色の多様化に貢献しました。マーラーの交響曲で大いに使われ、20世紀に入り、ストラヴィンスキーの「春の祭典」では2本も使われています(重要な部分で2本のアンサンブルが用いられています)。また、ショスタコーヴィチの交響曲ではソロにアンサンブルにと大活躍します。吹奏楽でも木管の低音部の要として活躍します。
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2005.8.13 合宿所合奏場にて
by borituba | 2005-08-18 22:23 | おんがく | Comments(0)