シリーズ「吹奏楽の楽器たち」第3回

吹奏楽独特といっていい楽器をご紹介しましょう。
吹奏楽では(当然ですが)弦楽器がないため、オーケストラの管楽器だけでは中音域がどうしても貧弱になります。弦楽器でいうと、ヴィオラやチェロにあたる部分です。そこで、中音域を補強するための楽器が開発されました。木管ではサキソフォン。金管では今日ご紹介するユーフォニアムとその仲間たちです。
右のユーフォニアムは、非常に音域の広い楽器で、ほぼヴィオラとチェロの音域をカバーしています。吹奏楽ではオリジナル作品と並んでオーケストラ曲の編曲作品も重要なレパートリーですが、ユーフォニアムはソロ(チェロのソロはほとんど回ってきます)、アンサンブル(コントラバス=テューバと、またホルンと組むことが多く、相性も良いです)と大活躍します。オーケストラではほとんど使われることはなく(テナーテューバの代用として使われることはありますが)、ほぼ吹奏楽独特の楽器と言ってよい楽器です。
中はテナーテューバです。ユーフォニアムが非常に重宝な楽器のため、吹奏楽ではほとんど使われませんが、今回の「惑星」は、原曲(オーケストラ)に指定された管楽器のパートを全て演奏するため、テナーテューバにお呼びがかかりました。オーケストラでは特殊な音色がほしい時に使われることが多く、リヒャルト・シュトラウスの「ドン・キホーテ」「英雄の生涯」、マーラーの交響曲第7番「夜の歌」、ムソルグスキー(ラヴェル編)の「展覧会の絵」などで起用されています。もちろん、「惑星」でも「火星」「木星」「天王星」などで活躍しています。ぜひ芸術劇場のステージでご覧下さい。
左はバリトン(ホルン)といいます。ユーフォニアム以上に吹奏楽、わけても英国式のブラスバンド(イギリスでは「ブラスバンド」というと「(英国式)金管バンド」を指します。日本で「ブラスバンド」と呼んでいる吹奏楽のことは単に「バンド」ないし「ミリタリー・バンド」などと呼びます)独特の楽器です。英国式ブラスバンドは、(フレンチ)ホルンを使用せず、コルネットをはじめとするサクソルン属(サクソフォンを開発したアドルフ・サックスが開発した円錐管を使った金管楽器)を用いた独特のスタイルで、コルネットがソプラノに相当し、以下アルト、テナー、バリトン、バスと分かれたサクソルン属に加え、ユーフォニアム、トロンボーン、打楽器で構成されています。バリトンはユーフォニアムの音域から中音域を取り出した楽器と思っていたただければよいでしょう。今回の「惑星」では、ユーフォニアムと共に弦楽器(ヴィオラ・チェロ)のパートを担当します。
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2005.8.13 合宿所合奏場にて
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by borituba | 2005-08-16 12:11 | おんがく | Comments(0)