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動物と伝説-2

多摩動物公園では、繁殖期以外の時期にはインドクジャクを放し飼いにしています。クジャクは優美な姿なので古くから人に飼われていました。飾り羽根は今でも人工的には再現不可能で、言わば「神秘の色」になっています。
多くの鳥は雑食性で木の実のほかに虫やカエル、トカゲなどを捕食しますが、クジャクはヘビも食べます。無毒、毒蛇にかかわらず爪で頭を押さえつけてくちばしで頭を突いて動きを止めると、爪で引き裂いて食べてしまいます。インドクジャクは世界最大の毒蛇キングコブラをも殺して食べるので、インドでは勇者の象徴として神格が与えられています。真言密教で盛んなお不動様を中心とした明王信仰の中にも取り入れられ、クジャクに乗った憤怒形の「孔雀明王」という明王があり、仏像や仏画(後光が炎でなくクジャクの飾り羽根になっている)が数多く残されています。毒蛇をも殺す強い力ということで、格闘技の神様としても信仰されています。
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2005.6.24 多摩動物公園
by borituba | 2005-07-26 12:44 | どうぶつ