シリーズ-東京の地下鉄を診断する:都営大江戸線

1.路線の距離と所要時間(スピード)
光が丘-都庁前-六本木-汐留-両国-飯田橋-都庁前間86分光が丘-新宿間23分都庁前-六本木-汐留-両国-飯田橋-都庁前間(環状部分)約1時間で結んでいます。環状部分だけをとるとほぼ山手線と同タイムになります。
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2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
2.路線の便利度(相互乗り入れ・他路線とのアクセス)
東京の地下鉄唯一リニア駆動という特殊な路線のため、相互乗り入れはありません。その代わり「地下の山手線」という異名のとおり環状部分があります。ただ、環状運転は行なっておらず光が丘→都庁前→新宿→六本木…飯田橋→新宿西口→都庁前と走り折り返します。そのため飯田橋から新宿、青山一丁目、六本木などへ行くには都庁前で乗換えるか両国方面へ大回りするかになり、若干不便で、この場合は東京メトロ南北線や有楽町線を利用する方が早くなり、門前仲町へは東西線の方が早くなります。
他路線とのアクセスは、全38駅中23駅(練馬、中井、東中野、中野坂上、新宿、代々木、青山一丁目、六本木、麻布十番、大門、汐留、月島、門前仲町、清澄白河、森下、両国、蔵前、新御徒町、上野御徒町、本郷三丁目、春日、飯田橋、東新宿、新宿西口)で、特に隅田川の東側の駅でのアクセスが重視されています。山手線とのアクセス新宿・新宿西口、大門(浜松町)、上野御徒町(御徒町)4駅で、環状部を持つ路線らしく多くなっています。

3.ダイヤ(路線内乗継の問題など)
2.で述べた通り、期待された環状運転を行なわなかったため、都庁前駅前後の何駅間相互の往復乗換えを伴うので不便です。相互乗り入れがないためダイヤ上大きな問題はなく、運転間隔もそれほどのばらつきはないので、この辺りは評価していいと思います。
大江戸線東京初の本格的大深度地下鉄であるため、乗降車時の導線が長くなり、また出入り口が地味わかりにくく駅ごとに凝ったデザインが裏目に出ています。これは飯田橋駅ですが、大江戸線側の出入口(連絡通路)東京メトロ側の通路とでは明るさに大差があり、この辺りが乗客数が伸び悩む一つの要因ではないかと思われます。
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2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
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2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
私個人の趣味から言えば、ちょっと秘密基地みたいなこの造りはわりと好きなのですが、それが一般には地味に見えてしまうところが残念ですね。
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2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
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2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
4.車両
開業以来の12-000形(一万二千形)です。全てアルミ車初期車はアイボリーに塗装されています。
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2007.2.15 都営地下鉄大江戸線春日駅
後期車塗装が省略され、防錆コーティングがされているため銀色がキレイなのが特徴です。
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2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
しかし、なんといっても12-000形の最大の特徴はリニア駆動にあります。駆動方式にリニアモーターを使用しているため、大きなモーターを積む必要がなく、普通のモーター駆動の車両より一回り小さく、また台車も小型化されているため車体の断面が小さく、ちょうどモノレールの車両くらいの空間になっています。コンパクトである反面、天井が低く、ひたすら暗いトンネルの中を走るせいかゲージが標準軌である割には閉塞感と圧迫感が若干強い感じがします。また、カーブの曲率によってリニア駆動レールの摩擦音が非常に大きくなり、ホームへの入線時に凄まじい音がして「事故か?」と思うほどです。
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2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
5.その他
大江戸線は、東京の地下鉄の中で唯一全区間が地下になっています。また都心を走る地下鉄としては一番遅く開業したため、大深度地下鉄の工法が採用され、特に環状部分では地上からホームまでの深さがかなり深くなっています。通過しただけではわからないのですが、お恥ずかしいことに、大江戸線青山一丁目を通っていることをこのシリーズのための取材を始めて初めて知った次第です。
いい加減関東の鉄道をあちこち乗り歩いている私のような者でさえこの有様ですから、一般の大江戸線認識はあまり高くないのではないかと思います。
そのため、大江戸線の乗降客数は当初の目論見より大幅に低く、減価償却費用を差し引くと開業以来ずっと赤字になってしまっています。
出入り口に「六本木まで○○分」とか「新宿まで××分」とか大きく看板を出して宣伝に努めているようですが、ホームに降り立ってから地上に出るまでがむやみに長く、また前述のような秘密基地のような通路を延々歩かされるとなれば、もっと気楽に乗れる地上線浅いところを走る地下鉄に流れてしまうのでしょう。
また、迂回ルートとしては乗換駅が多い大江戸線は非常に効果が高いのですが、普段に利用するにはやはり直結ルートや相互乗り入れの便利度が高い路線をチョイスするのでしょう。
この路線は、知名度や使い勝手の面で大きく遅れをとっていると思います。イメージアップのための導線整備(駅をもっと明るくするとか、アミューズメント施設の設置など)や、車両の、特に内装の更新(圧迫感や閉塞感を軽減するような照明や車内色の改良など)など抜本的なテコ入れが必要だと思います。

☆☆
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by borituba | 2009-11-20 22:23 | てつどう | Comments(0)