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動物と人間は…

「ズーラシア」には日本の在来種もいくつか展示されています。狸、狐、そしてこのニホンツキノワグマです。
ご存知の通り、昨年、日本各地でツキノワグマが人里に降り、追い詰められたあげくに射殺される事件が頻発しました。異常といっていい猛暑や台風の襲来に加え、里山の荒廃などいろいろな要因が複雑に絡んだ不幸な事件でした。
よく「獰猛なライオン」とか、「残酷な人喰いザメ」などという言い方や、ライオンやサメ、シャチなどの狩りの映像が「残酷特集」などとして流れることがあります。しかし、「獰猛」「残酷」といった感覚は人間が勝手に考えたもの。動物たちにとっては「普通の捕食行動」なのです。また、野生動物のテリトリーに無警戒に入り込む人間から見て、自分の住処を守るために撃退しようと懸命に立ち向かう動物は、きわめて攻撃的で野蛮な生き物、ということになります。
私はそこに、過剰なまでの「感情」を「持ってしまった」裸のサル=人間のエゴを見てしまいます。全てのものが天然の資源を源に生まれている以上、それを支配し、食いつぶしてしまうことは生物としての「緩慢なる自殺」であると思います。
昨年のツキノワグマの事件を思う時、こうした野生動物との不幸な災害はつくづく「人災」だと思うのです。何も知らずに撃ち殺された声なき生き物たち、全ての責任は勝手に動物の世界に足を踏み入れる傲慢な人間にあると思います。同じ大地に生きるものとして大いに反省すべきではないでしょうか。
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2005.6.20 よこはま動物園「ズーラシア」
by borituba | 2005-06-21 21:25 | どうぶつ