シリーズ-東京の地下鉄を診断する:都営大江戸線  

2009年 11月 20日

1.路線の距離と所要時間(スピード)
光が丘-都庁前-六本木-汐留-両国-飯田橋-都庁前間86分光が丘-新宿間23分都庁前-六本木-汐留-両国-飯田橋-都庁前間(環状部分)約1時間で結んでいます。環状部分だけをとるとほぼ山手線と同タイムになります。
2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
2.路線の便利度(相互乗り入れ・他路線とのアクセス)
東京の地下鉄唯一リニア駆動という特殊な路線のため、相互乗り入れはありません。その代わり「地下の山手線」という異名のとおり環状部分があります。ただ、環状運転は行なっておらず光が丘→都庁前→新宿→六本木…飯田橋→新宿西口→都庁前と走り折り返します。そのため飯田橋から新宿、青山一丁目、六本木などへ行くには都庁前で乗換えるか両国方面へ大回りするかになり、若干不便で、この場合は東京メトロ南北線や有楽町線を利用する方が早くなり、門前仲町へは東西線の方が早くなります。
他路線とのアクセスは、全38駅中23駅(練馬、中井、東中野、中野坂上、新宿、代々木、青山一丁目、六本木、麻布十番、大門、汐留、月島、門前仲町、清澄白河、森下、両国、蔵前、新御徒町、上野御徒町、本郷三丁目、春日、飯田橋、東新宿、新宿西口)で、特に隅田川の東側の駅でのアクセスが重視されています。山手線とのアクセス新宿・新宿西口、大門(浜松町)、上野御徒町(御徒町)4駅で、環状部を持つ路線らしく多くなっています。

3.ダイヤ(路線内乗継の問題など)
2.で述べた通り、期待された環状運転を行なわなかったため、都庁前駅前後の何駅間相互の往復乗換えを伴うので不便です。相互乗り入れがないためダイヤ上大きな問題はなく、運転間隔もそれほどのばらつきはないので、この辺りは評価していいと思います。
大江戸線東京初の本格的大深度地下鉄であるため、乗降車時の導線が長くなり、また出入り口が地味わかりにくく駅ごとに凝ったデザインが裏目に出ています。これは飯田橋駅ですが、大江戸線側の出入口(連絡通路)東京メトロ側の通路とでは明るさに大差があり、この辺りが乗客数が伸び悩む一つの要因ではないかと思われます。
2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
私個人の趣味から言えば、ちょっと秘密基地みたいなこの造りはわりと好きなのですが、それが一般には地味に見えてしまうところが残念ですね。
2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
4.車両
開業以来の12-000形(一万二千形)です。全てアルミ車初期車はアイボリーに塗装されています。
2007.2.15 都営地下鉄大江戸線春日駅
後期車塗装が省略され、防錆コーティングがされているため銀色がキレイなのが特徴です。

2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
しかし、なんといっても12-000形の最大の特徴はリニア駆動にあります。駆動方式にリニアモーターを使用しているため、大きなモーターを積む必要がなく、普通のモーター駆動の車両より一回り小さく、また台車も小型化されているため車体の断面が小さく、ちょうどモノレールの車両くらいの空間になっています。コンパクトである反面、天井が低く、ひたすら暗いトンネルの中を走るせいかゲージが標準軌である割には閉塞感と圧迫感が若干強い感じがします。また、カーブの曲率によってリニア駆動レールの摩擦音が非常に大きくなり、ホームへの入線時に凄まじい音がして「事故か?」と思うほどです。
2009.11.15 都営地下鉄大江戸線飯田橋駅
5.その他
大江戸線は、東京の地下鉄の中で唯一全区間が地下になっています。また都心を走る地下鉄としては一番遅く開業したため、大深度地下鉄の工法が採用され、特に環状部分では地上からホームまでの深さがかなり深くなっています。通過しただけではわからないのですが、お恥ずかしいことに、大江戸線青山一丁目を通っていることをこのシリーズのための取材を始めて初めて知った次第です。
いい加減関東の鉄道をあちこち乗り歩いている私のような者でさえこの有様ですから、一般の大江戸線認識はあまり高くないのではないかと思います。
そのため、大江戸線の乗降客数は当初の目論見より大幅に低く、減価償却費用を差し引くと開業以来ずっと赤字になってしまっています。
出入り口に「六本木まで○○分」とか「新宿まで××分」とか大きく看板を出して宣伝に努めているようですが、ホームに降り立ってから地上に出るまでがむやみに長く、また前述のような秘密基地のような通路を延々歩かされるとなれば、もっと気楽に乗れる地上線浅いところを走る地下鉄に流れてしまうのでしょう。
また、迂回ルートとしては乗換駅が多い大江戸線は非常に効果が高いのですが、普段に利用するにはやはり直結ルートや相互乗り入れの便利度が高い路線をチョイスするのでしょう。
この路線は、知名度や使い勝手の面で大きく遅れをとっていると思います。イメージアップのための導線整備(駅をもっと明るくするとか、アミューズメント施設の設置など)や、車両の、特に内装の更新(圧迫感や閉塞感を軽減するような照明や車内色の改良など)など抜本的なテコ入れが必要だと思います。

☆☆

# by borituba | 2009-11-20 22:23 | てつどう | Comments(0)

シリーズ-東京の地下鉄を診断する:番外編  

2009年 11月 12日

本来ならば最後に残った都営大江戸線の診断をするところですが、東京の地下鉄に関する気になる記事を目にしましたので、「番外編」としてこれについての考察をしてみたいと思います。

それは「東京メトロと都営地下鉄の統合」
というものです。記事を転載します。

(これより引用)東京メトロと都営地下鉄、経営統合で協議(読売新聞)

「東京メトロ」の愛称で地下鉄9路線を運行する東京地下鉄の梅崎寿社長は11日、都営地下鉄との経営統合について「(都と)話はしている」と述べ、統合を視野に協議中だと明らかにした。

その上で「(都営地下鉄には)4000億円を超える累積欠損金がある」と、都営地下鉄の財務健全化が課題との認識を示した。

2009年9月中間連結決算を発表する記者会見で質問に答えた。

両社はともに都内を中心に地下鉄を運行しており、統合で経営効率の向上などが見込まれる。両地下鉄を乗り継いだ場合、それぞれで必要な初乗り料金が不要になる可能性があるなど、利便性の向上も期待される。

ただ、欠損金のほかにも、旧営団から株式会社化した東京地下鉄と、公営の都営地下鉄の組織形態の違いや、コスト構造の差など、解決すべき問題も多い。

東京地下鉄の株式は、国が約53%、東京都が約47%を保有しており、同社では上場に向けた準備を進めている。(ここまで引用)


東京メトロは、早川徳次が創立した東京地下鉄道と、五島慶太が創立した東京高速鉄道が合併し、戦時体制下で国策企業化した帝都高速度交通営団(営団地下鉄)が完全民営化(株式会社化)することで成立しました。戦後、都市計画の一環としての地下鉄網の整備のなかで、路面電車からの転換を図る東京都がいくつかの路線の建設・運営を主張、計画された13路線のうち9路線を営団、4路線が都に割り当てられました。しかし、営団が国策企業とはいえ民間系の組織であったことで、東京都は当時まだ未開発だった地域へのアクセス路線(早い話が不採算路線)を引き受ける結果となり、都心アクセスの主導権は営団が握っていました。そのせいで都営地下鉄は東京の地下鉄網のなかで常に「脇役」的な存在が長く続きました。
しかし、その後の都市開発の進行で、都営路線も乗客数が増え、東京メトロと都営の路線の格差はかなり縮まってきました。都営も新宿線の直線的な線形を生かした急行運転など近年は健闘してきました。
昨年の副都心線(13号線)が開通し、当初計画の13路線がすべて開通したのを機に、東京メトロと都営地下鉄の統合がにわかにクローズアップされてきました。

では、2つの地下鉄が統合されると、どのようなメリットや問題点があるのでしょうか?


1.運賃の統合
現在、東京メトロの初乗り運賃は160円、都営地下鉄は170円です。また、一番路線距離の長い都営三田線(26.5km)を全線(西高島平-目黒間)乗り通したときの運賃は360円、それより約2km長い東京メトロ有楽町線(28.3km:和光市-新木場間)だと300円で、最長運賃では60円の開きがあります。特定の駅で乗り換える場合の割引運賃はありますが、全体に「都営地下鉄は割高」というイメージが定着しています。
2つの地下鉄が統合された場合、全線の運賃体系が同じになり、都営路線に関して言えば「値下げ」となり、値下げ効果に伴う乗客増が期待できます。また、乗客側としても中間改札を通ったり、キップを買い直したりする手間も省けます。ただ、都が抱えている欠損金(民間企業でないので「負債」とは呼ばない)の処理方法によっては逆に全体が「値上げ」になる危険性もあります。
欠損金のほとんどは大江戸線の乗客数見込みがはずれたことによる減収によるものです。これをどう処理するかは非常に難しい問題ですが、京成千葉急行を引き受けて京成千原線としたときに、千葉急行の負債処理のため千葉中央から先の運賃体系を据え置いたように、減価償却が終わるまで大江戸線だけ運賃体系をそのままにするような移行措置が必要になると思われます。
2009.2.7 西武鉄道池袋線中村橋駅
2.列車運用の柔軟化
都営地下鉄はとかく「お役所仕事的」なイメージがあり、サービス面で東京メトロに水を開けられています。かつては大晦日の終夜運転を行なわず、沿線に泉岳寺・水天宮・浅草寺といった寺社があるにもかかわらず成田-川崎間で運転されていた京成・京急の初詣特急(京成初代3000形・京急1000形で運転)浅草線内は通過していました。今でこそそんなことはなくなっていて、各線とも終夜運転を行うようになりましたが、京急で初詣特急に使いたい2100形の入線は未だに実現していません。また、空港輸送の幹線の中心でありながらあまり協力的でないところもネックになっています。
統合で路線が民営化されれば、すでに千代田線箱根ゆきロマンスカーの入線を実現していることもあり、浅草線へのスカイライナーや2100形快特の入線も可能になり、空港輸送の強化に大きなメリットになります。
また、三田線と南北線車両運用が共通化されたり(6300形が南北線に入ったり、9000系が三田線を走ったりできます。路線を共用しているのですぐにでも共用可能です)、東京メトロが一歩リードしている車両スペックを生かして都営路線のスピードアップができるなど路線の強化が期待できます。
2009.6.12 京浜急行電鉄本線品川駅
3.問題点
都営地下鉄公営交通であるので、運転士・車掌をはじめ現場の掛員はすべて公務員ということになります。東京メトロ民間企業である以上、統合した場合都営地下鉄の職員は公務員から民間企業の社員への身分の切り替えが必要になります。その場合給与などを含めた雇用条件が大きく違うため、組合との交渉が難航することが予想されます。また、東京の地下交通を一手に引き受ける巨大私鉄が誕生するため、都営から移って来た運転士をはじめとする車両運行要員の教習や、駅員のサービス教育などにかなり時間がかかる可能性もあります。
そして1でも触れましたが、都営と東京メトロの収支格差の是正が最大の課題になります。特に大江戸線の乗客数の改善喫緊の課題と言え、その他の路線も含め東京メトロのノウハウを生かした即効性の高い増収策が求められます。浅草線で言えば主要駅(浅草・浅草橋・東銀座・新橋など)航空会社のチェックインカウンターを置くとか、浅草・人形町・東銀座に観光案内所や店舗を置くなど、すぐにでもできそうなことはいっぱいあります。
2009.9.13 京成電鉄押上線八広駅
2009.10.10 小田急電鉄小田原線千歳船橋駅
全体的にみれば、内向きの問題点より外向きのメリットが目立ち、なぜもっと早く論議しなかったのか不思議な気もします。まだ協議は始まったばかりのようですが、早期の進展を期待したいと思います。
2009.2.28 東京急行電鉄東横線自由が丘駅

# by borituba | 2009-11-12 22:49 | てつどう | Comments(0)

シリーズ-東京の地下鉄を診断する:都営新宿線  

2009年 11月 10日

1.路線の距離と所要時間(スピード)
新宿-本八幡間23.5km約40分で結びます。東京の都心を比較的直線的に貫いているのと、半蔵門線のように直角に近いようなカーブがないのでスピードが一定していることでなかなかの快速を実現しています。また、東京の地下鉄の中ではかなり本格的な急行運転を行なっており、10分も早い30分で駆け抜けています。
2009.5.23 京王電鉄京王線笹塚駅
2.路線の便利度(相互乗り入れ・他路線とのアクセス)
新宿京王線(新線)と相互乗り入れしています。初台・幡ヶ谷が地下駅のため笹塚まで都営線と思われがちですが、新宿-笹塚間は京王線になります。他路線とのアクセス新宿・新宿三丁目・市ヶ谷・九段下・神保町・小川町・馬喰横山・森下・住吉・本八幡で、21駅中10駅と、約半数の駅で乗換えが可能です。急行停車駅新宿・市ヶ谷・神保町・馬喰横山・森下・大島・本八幡の7駅と全体の1/3で、浅草線のエアポート快速と同じように都営線・JR線とのアクセス重視になっています。山手線とのアクセスは新宿だけで、これは都心側の駅とのアクセスよりも副都心である新宿と城東地区との直結が目的であることがわかります。
2007.1.11 都営地下鉄新宿線東大島駅
3.ダイヤ(路線内乗継の問題など)
平日日中は概ね各停3:急行になっており、3本の各停のうち1本は新宿まで逃げ切りますが、2本は瑞江か岩本町で急行を待避します。新宿まで逃げ切る1本新宿止まり残り2本が笹塚止まりになります。乗り入れ列車は基本的にすべて調布から京王相模原線に入りますが、休日高尾山口ゆき急行が2本だけあります(夕方折り返し)。また、新宿止まりの各停のあとは橋本ゆき急行が来るようになっており、利便性に配慮したダイヤになっています。
4.車両
都営車は10-000形と10-300形の2種類です。ハイフンが入っていますが「一万形」と読みます。10-000形初期車セミステンレスでしたが、後期車オールステンレスで、現在はセミ車は引退し、オールステンレスの編成のみオリジナル編成になっています。当初6連でデビューしましたが、8連の後期車がデビューしたときにオールステンレスの中間車が増備され初期車に組み込まれました。この中間車は車齢が若かったため、初期車が引退するときに更新改造の上、新製された先頭車(10-300形と同じ)と組み合わせて10-300R形となりました。10-000形の車体はコルゲーション仕上げ10-300形軽量ステンレスでコルゲーションがないため、フォルムが大幅に違い、別の車に見えます。
2007.1.11 都営地下鉄新宿線東大島駅
2009.5.23 京王電鉄京王線笹塚駅
2006.1.24 京王電鉄京王線明大前駅
10-300形は、ATSの更新が済んだ平成17年にデビューしたVVVFインバータ制御車です。当時切妻の味気のない車両が流行していた中、久しぶりにスタイリッシュなフォルムで、この時期の車両には珍しく写欲がでたものです。
2006.6.6 京王電鉄京王線下高井戸駅
京王車は同期の小田急9000系ローレル賞を争った名車6000系が長らく活躍しましたが先ごろ地下鉄乗り入れからは撤退。20世紀の名車5000系のフォルムを受け継ぐ新世代の主力9000系に交代しています。
2007.1.11 都営地下鉄新宿線東大島駅
2009.5.23 京王電鉄京王線下高井戸駅
5.その他
新宿線の最大のメリットは速さです。駅数が多い割には各停でも40分新宿から市川市(本八幡)まで行けるのはなかなか便利だと言えます。京王乗り入れ車をうまく使えば多摩から1時間あまりで千葉県まで行けるのも高ポイントでしょう。
しかし最大のウィークポイントは京王と組んだ乗り入れにあります。当初計画では京成八幡駅に乗り入れて新宿-成田空港間90分、八王子-成田空港間120分高速空港輸送ネットワークを組む予定でした。しかし、京王線は日本では非常に珍しい1372mm軌間を採用しており、京成は標準軌で合わず、また、京王線開業時に東京都電との相互乗り入れを目指して都電が採用していた1372mmに合わせたという経緯もあって、改軌を拒否され、結局本八幡駅JR駅と京成八幡駅のちょうど中間に作って利便性を図り、その先への延伸は断念しました。
しかし、新大橋通りをベースに城東地区を貫き、皇居の北側の靖国通りをほぼトレースする形で市ヶ谷有楽町線と交差、さらに新宿通りから新宿駅南口直下の京王新線新宿駅に至るルートは皇居迂回の影響をほとんど受けない東京の東西交通のほぼベストルートといって良く、路線としての重要度は高いと思います。
2006.6.6 京王電鉄京王線下高井戸駅
2007.1.11 都営地下鉄新宿線東大島駅
☆☆☆☆

# by borituba | 2009-11-10 21:38 | てつどう | Comments(1)

シリーズ-東京の地下鉄を診断する:都営三田線  

2009年 11月 07日

1.路線の距離と所要時間(スピード)
目黒-西高島平間26.5km52分で結びます。ちょっと時間がかかっているように感じますが、これは駅間距離が短く(起終点を含め27駅もあります)、急行運転を行なっていないためです。目黒-白金高輪間東京メトロ南北線との共用区間になります。

2.路線の便利度(相互乗り入れ・他路線とのアクセス)
目黒東急目黒線相互乗り入れを行なっています。白金高輪まで共用している東京メトロ南北線とは基本的には別線で、お互いの車両には互換性はありません(白金高輪駅シーサスポイントと電留線があるので乗り入れは可能で、イベント列車などはどちらにも乗り入れられる東急の車両が担当します)。西高島平方では相互乗り入れはありません。
他路線とのアクセスは目黒・白金高輪・日比谷・大手町・神保町・水道橋・春日・巣鴨8駅で、全体の1/3と都心を縦断しているわりには少なく、このあたりはやや弱点ではありますが、多くの路線が集まる駅を通るためあまり不便を感じません。山手線とのアクセスは目黒・日比谷(有楽町)・巣鴨の3駅です。


3.ダイヤ(路線内乗継の問題など)
目黒-白金高輪間は共用のため、白金高輪止まりの列車があります。日中は乗り入れ列車白金高輪止まりの列車の比率は概ね6:4で、3本に1本くらいの割りで白金高輪で乗り継ぎになります。しかし、白金高輪止まりの列車はすべて南北線から来た乗り入れ列車と接続しており(南北線の白金高輪止まりも同様)、乗り継ぎによるロスタイムは非常に短く、不便を感じさせない絶妙のダイヤになっています。目黒から急行(停車駅は目黒・武蔵小山・大岡山・田園調布・多摩川・武蔵小杉・日吉)になる列車は日中30分ヘッドで少ないように感じますが、南北線からも30分ヘッド急行が来るので、組み合わせて白金高輪からは15分ヘッドになります。
2009.2.7 東京急行電鉄目黒線多摩川駅
4.車両
現在は6300形1形式になっています。初代の6000形は相互乗り入れ開始を機に引退し、秩父鉄道熊本電鉄、遠くインドネシアで再び活躍しています。
乗り入れの東急車は専用の2代目3000系2代目5000系の乗り入れ対応車(5080系とも呼ばれる)の2種類です。全てドアの寸法や間隔が揃えられているため、三田線南北線と同様全線でホームドアが設置されています。

2005.8.11 秩父鉄道秩父駅

2009.10.11 東京急行電鉄目黒線多摩川駅
5.その他
都営三田線が現在の姿になるまでには紆余曲折がありました。当初は西高島平から延伸して東武東上線大和町(現・和光市)への乗り入れ、東急が計画していた目蒲線の本線化(現・目黒線)と共に三田・清正公前(現・白金高輪)・桐ヶ谷(仮称)を経て武蔵小山周辺で乗り入れとなっていたのが、交通営団(現・東京メトロ)・東急・東武などの要求に押し切られる形で現在の形に「捻じ曲げられ」、高島平-三田間開業当初は大赤字で、延伸計画も大幅に遅れました。もともと民間系の営団主導で進められてきた東京の地下鉄の中で、都営地下鉄は常に不採算といいますか、沿線の開発が遅れたり、都心から微妙に外れた地域を走る路線が多く、運賃の格差(メトロより初乗りも運賃体系も割高)もあって常にワリを食ってきた観がありますが(乗換駅がすくないのもこれが原因)、高島平周辺の開発も進み、相互乗り入れの実現で「おばあちゃんの原宿」巣鴨大手町・日比谷川崎・横浜方面が直接結ばれることによって東京の地下鉄のメインルートとしての地位を確立しました。
☆☆☆☆☆

# by borituba | 2009-11-07 23:49 | てつどう | Comments(0)

シリーズ-東京の地下鉄を診断する:都営浅草線  

2009年 11月 03日

長らく中断していましたが、東京の地下鉄診断シリーズ再開します。残る都営4線の診断です。シリーズのプロローグと東京メトロ編は下のタグ 東京の地下鉄診断」をクリックすればご覧いただけます。

1.路線の距離と所要時間(スピード)
西馬込-押上間18.3kmを約35分で結びます。このうち泉岳寺-押上間には相互乗り入れ列車によるエアポート快速があり、18分で結んでいます。この間の各停は約25分ですから約6分の短縮になります。

2.路線の便利度(相互乗り入れ・他路線とのアクセス)
押上京成電鉄押上線と、泉岳寺京浜急行本線相互乗り入れを行っています。他路線とのアクセスは中延・五反田・泉岳寺・三田・大門・新橋・東銀座・日本橋・人形町・東日本橋・浅草橋・浅草・押上20駅中13駅あり、かなり便利と言えます。なお、蔵前には都営大江戸線も来ていますが、駅の位置が大幅に違い、連絡通路もないので乗換駅とは言えず、交通局も案内していません。山手線とのアクセス五反田・新橋の2駅でまあまあ。新橋以北のアクセスがないのが弱点と言えば弱点です。
空港、ことに羽田空港とのアクセス強化のために設定されたエアポート快速ですが、停車駅が泉岳寺-新橋間と日本橋・東日本橋・浅草・押上と少ない割には時間短縮効果が小さいのは線内に待避設備がないためで、「停まらないだけ速い」程度の効果に留まっているのは残念です。またラッシュ時には設定が少なくなるため空港アクセスへの効果が今ひとつ。という問題もあります。停車駅も都営線とのアクセスが重視されている反面、東銀座や人形町が通過ということで東京観光には使いにくいという点はあまり評価は高くありません。


3.ダイヤ(路線内乗継の問題など)
相互乗り入れ区間である泉岳寺-押上間西馬込-押上間で実質的に分断されていると言っていいでしょう。京急からの乗り入れ列車は泉岳寺スイッチバックしなければならないので西馬込方面には行かずにすべて押上方面に行きます。泉岳寺-押上間に限って言えば、すべて走り通すため途中乗継などの問題はありませんが、西馬込-泉岳寺間は、この区間を往復する列車と泉岳寺以遠押上および京成高砂始発)からの列車がほぼ交互になるため、乗継の必要が生じます。また自社を含め4社にまたがって乗り入れネットワークを組んでいることから、他社線のダイヤ乱れの影響を受けやすいのと、ことに押上方面ゆき列車の行先が複雑になり、それに伴ってダイヤが複雑になるなどの問題も常に抱えています。しかし、大きな混乱は比較的少なく、健闘していると言っていいでしょう。

4.車両
都営車は5300形1形式だけです。初代の5000形が長らく活躍した後、試作的に造られたステンレス車5200形(2006年引退)はありましたが、実質的な後継車両はコスト面で有利だったアルミ車の5300形になりました(5000形の画像はこちらのサイトに豊富です)。
2006.11.3 京成電鉄押上線八広駅
2007.6.21 京浜急行電鉄本線杉田-京急富岡間
2009.8.4 京浜急行電鉄本線品川-北品川間
2009.10.12 京成電鉄京成線中山駅
しかし、都営浅草線とはいえ、全列車の約2/3を占めるのは京急・京成・北総の車両たちで、5300形を含め実に16形式もの車両が全線を走りぬけています。各社とも初代の乗り入れ車京急1000形・京成初代3000形・都営5000形)は引退・撤退していますが、後継車両が浅草線を介して関東平野の1都2県をほぼ横断しています
2007.9.5 京浜急行電鉄本線鮫洲駅
2009.8.28 京浜急行電鉄本線六郷土手駅
2009.9.23 京成電鉄京成線中山駅

5.その他
先頃論議を呼んだ羽田空港のハブ空港化問題で、羽田-成田間のアクセスの問題がにわかにクローズアップされてきました。また、初の「地下鉄ロマンスカー」小田急MSE60000系のデビューは、地下鉄での特急運行の可能性を切り開きました。
都営浅草線でも京成スカイライナーや快特専用のクロスシート車である京急2100形を走らせれば非常に便利で有効な羽田-成田間アクセスネットワークが完成することでしょう。渋滞などで所要時間が左右されるバスよりも定時運行という最大のメリットを持つ鉄道が有利なのは言うまでもありません。
しかし、東京都交通局スカイライナーも2100形も入線を認めていません(ちなみに両方とも東京都がOKすればすぐにでも対応可能です)。「都民の交通のため造られた地下鉄を空港輸送という本来の目的外(通過するだけの客の輸送)に利用させるのは都民の理解を得られない」というのがその理由ですが、ここまで都市交通が多様化している以上、そんなことを言っていてはせっかくの4社ネットワークは宝の持ち腐れ以上の何者でもありません。宝町からの東京駅乗り入れ構想も立ち消え状態ということもあり、東京都という自治体でこの線を管理運営するのは限界があると思います。
そこで提案したいのは浅草線の「第3種鉄道事業者化」です。すでに全線開通から40年を過ぎ、いわゆる「減価償却」は済んでおり、そこで全線の事業4社合同の第3セクター移管して、都は通過する事業者(ここでは京急・京成・北総・芝山)からの路線使用料を徴収する。というシステムです。これは関西ですでに「神戸高速鉄道」という形で実現・定着しており、浅草線のような何社もの列車が入り込む路線では現実的な方法と言えます。それにより列車運行を柔軟化し、羽田空港発成田空港ゆきスカイライナーや、成田空港発久里浜ゆきWing号の実現もより現実的となるのではないかと思います。その場合現在の都営車5300形新幹線700系のように京成と京急で折半して保有(車齢に応じた有償譲渡)すればいいかと思います。
2009.7.19 京成電鉄京成線千住大橋駅
京浜急行電鉄本線六郷土手駅
2005.6.12 京浜急行電鉄本線品川-北品川間
☆☆☆☆

# by borituba | 2009-11-03 23:29 | てつどう | Comments(0)

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